第一三共ヘルスケアは2026年8月6日、「セルフケア意識・行動の20年間の変化調査」の結果を発表した。調査は6月18~22日、全国の20~70代の男女600人を対象にインターネットで実施した。
「病気を防ぐ」から「心を整える」へ...「先回りのセルフケア」へ意識が変化
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、1人当たりの平均年間総実労働時間は2006年の1843時間から25年の1693時間へ、約150時間(8.8%)減少した。今回の調査でも50.8%が「1日の労働時間が減った」と答えた。
一方、20年前と比べた体調の変化を聞くと(30代~70代、n=480)、71.9%が「20年前に比べ、休んでも疲れが取れない」と回答。「情報が多く、必要な情報を取捨選択するのが大変」は73.3%、「世の中の変化や物事のスピードが速く、気ぜわしい」は75.6%に上った。心理的な負担の少なさを表す「メンタルパフォーマンス(メンパ)」を重視する人も73.5%となっている。
また、セルフケアの実践率を聞くと、20年前の16.9%から現在の58.8%へ、3.5倍に増えるという結果に。もっとも、その捉え方にも変化がみられる。自身が考えるセルフケアを選んでもらうと、20年前はセルフケアといえば「病気を防ぐ」が24.0%で最多だったが、現在は「心を整える」が39.8%で1位、次いで「身体の不調を未然に防ぐ」が36.0%で続いた。病気への対処だけでなく、心身の不調を未然に防ぐ「先回りのセルフケア」へと意識が変化している傾向だ。
コロナ禍を経た現在の具体的なセルフケアの行動では、「十分な睡眠をとる」が41.9%で最多となった。さらに、「無理な人間関係を控える」は20年前の6.8%から28.3%に増加。「会食や飲み会を控える」も4.5%から10.5%に増加した。調査元は「自分なりの社会とのつながり方を考え、無理をしない『メンパチョイス』のセルフケアも増えています」と指摘する。
「先回りセルフケア」のヒントに「3C」
今回の調査結果に、村下公一氏(弘前大学副学長/東京大学グローバルWell-being総合研究所副所長・健康未来イノベーション研究機構長・教授)は、セルフケアが「病気にならないための対策」から、心身を整え、自分らしく過ごすための取り組みへ広がっているとコメントを寄せた。
第一三共ヘルスケアは、「先回りセルフケア」のヒントとなる、これからのセルフケアの考え方を「3C」として整理している。「Choice(選ぶ)」は今の自分に必要な情報を選ぶ、「Customize(組み合わせる)」は睡眠、運動、食事などを自身の生活に合わせて具体的行動を組み合わせる、「Check(状態を知る)」はアプリやウェアラブル機器なども活用して心身の変化を把握する、という考え方だ。
村下氏は、「AIやウェアラブル機器を活用して健康状態を日常的に把握する技術は、すでに実用化が進んでいます。将来的には、遺伝子や健康データから病気のリスクを予測し、不調になる前から対策する『先回りセルフケア』が当たり前になるでしょう」と指摘している。