エネルギー事業を展開するイーレックスは2026年9月17日、「生活者のエネルギー意識調査2026」の結果を発表した。それによると、生成AI利用者の61.5%が、必ずしもAIに聞く必要のないことを「なんとなく質問」した経験があると回答。また、生成AI利用者の69.6%がAIなどの普及による電力需要増に不安を感じる一方、今後のAI利用を控えたいと答えた人は12.3%にとどまる結果となった。
生成AIに「なんとなく質問」20代で74.2%、30代で67.3%
今回の調査は9月24日の「みんなでつくろう再エネの日」を前に、全国の20~69歳の男女1000人を対象とし、8月31日~9月2日にインターネットで実施。生成AIの利用率や質問・依頼回数については、同年代の男女1万人に聞いた。
現在の生成AIの利用について聞いたところ、64.2%が生成AIを利用しているという結果が出た。さらに、人口構成比に基づく20歳~69歳の男女1000人のうち、生成AIを利用していると答えた634人に、必ずしも生成AIに聞く必要はなかったものの、ついなんとなく質問した経験があるかを聞くと、「よくある」が13.7%、「たまにある」が47.8%で、合計61.5%に上った。
年代別では20代が74.2%、30代が67.3%と、若い世代で高かった。自由回答には、好きな人との恋愛相談や、誰かがお金をくれないかという願いなども寄せられた。同社は、こうした「必ずしも生成AIに聞く必要はなかったものの、つい、なんとなく質問する」ことを象徴する言葉として「AI電力浪費」と表現している。
生成AIの学習や回答生成には大規模な計算処理が必要で、それを担うサーバーやデータセンターでは電力が消費される。しかし、生成AIの利用に伴ってデータセンターなどで電力が大量に使われることについて、回答者全体の47.0%が「知らなかった」と回答。「知っていたが、特に気にかけたことはなかった」の31.1%と合わせると78.1%が知らないか、意識していないという結果になった。
一方、生成AI利用者の51.1%は、AIが使えなくなると日常生活で「困る」と回答(「非常に困る」15.5%と「やや困る」35.6%の合計)。しかも、週1回以上使う人では60.5%(「非常に困る」19.0%と「やや困る」41.5%の合計)に上り、生活の中で欠かせない存在になっている様子もうかがえる。
不安の最多は「電気料金が上昇すること」
生成AIの利用には多くの電力が必要で、利用拡大に伴い、データセンターでの電力使用量や日本での電力需要の増加が見込まれている。調査では、AIやデータセンターの普及によって、日本の電力需要が増えることに「不安を感じる」と答えた人は、全体の67.0%、生成AI利用者では69.6%だった(いずれも「不安を感じる」と「やや不安を感じる」の合計)。
不安を感じる人にその内容を聞くと、最も多かったのは「電気料金が上昇すること」で58.1%。次いで「必要な電力を十分に確保できなくなること」が49.7%、「自然環境や地域環境への負担が増えること」が38.1%、「発電に伴うCO2排出量が増えること」が31.3%と続いた。
もっとも、そのうえで今後の生成AIの利用意向を聞くと、「利用を控えたい」と答えた人は全体の26.3%、生成AIを利用している人では12.3%(いずれも「あまり利用したいと思わない」と「利用したいと思わない」の合計)。一方、「利用したい」は全体の31.5%、生成AIを利用している人では45.4%(いずれも「積極的に利用したい」と「利用したい」の合計)となっている。
電力需要増への対応、再エネに期待
AIやデータセンターの普及で国内の電力需要が増えていくとしたら、どの発電方法で増やすべきかを聞くと、最も多く挙げられたのは「再生可能エネルギー」で54.2%だった。供給する電力に求める条件では、「安全性が高いこと」が36.9%、「必要な電力を安定して供給できること」が32.4%と並んだ。
一方、再エネの仕組みや特徴への理解度を聞くと、「人に説明できる程度理解している」と答えた人は3.4%、「ある程度理解している」は12.9%、「なんとなく理解している」は33.1%となっている。
再エネをより有効に活用するため、今後特に重要だと思う取り組みを複数回答で聞くと、最多は「蓄電池を増やし、余った電気を貯めて必要なときに使えるようにする」の30.0%だった。太陽光や風力など、天候によって発電量が変わる電源を活用するうえで、電気をためて使う仕組みに期待が寄せられている。
イーレックスは、バイオマス発電に加え、系統用蓄電池などの開発や、蓄電池などを効率的に運用する事業に取り組んでいる。AIの便利さを日常で享受しながら、安全で安定した電力供給と環境負荷の低減をどう両立するか。今回の調査は、その課題を考えるきっかけになりそうだ。