カメラを軸に昭和史を描く 「カメラは時の氏神」出版

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光人社が出版した「カメラは時の氏神 新橋カメラ屋の見た昭和写真史」
光人社が出版した「カメラは時の氏神 新橋カメラ屋の見た昭和写真史」

   「ライカ1台の値段は家1軒分」といわれた時代からデジカメ登場まで、「カメラの歩みを見続け70年」という元カメラ店主の聞き書きが本になった。「カメラは時の氏神 新橋カメラ屋の見た昭和写真史」(柳沢保正、光人社)だ。東京・新橋で「ウツキカメラ」を経営していた宇津木發生さん(89)のカメラ人生を描いた。

   カメラを通して見た昭和史でもある。2008年1月8日から書店に並んでいる。A5判213ページ(年表含む)、1900円(税別)。内容の一部はムック「カメラスタイル」(ワールドフォトプレス)に連載された。

   宇津木さんは戦時中、東京新聞のカメラマンだった。きびしい報道統制下での「撮影荒業」秘話の数々が明かされる。戦後はカメラ屋になって、ドイツのコピーから始まった日本のカメラ産業が独り立ちし、やがて世界を席巻するまでを見届けた。

   しかし、21世紀のデジカメやネットオークションの荒波に、昔ながらのカメラ屋は歯が立たず、2005年に「ウツキカメラ」は閉店した。「古き良きカメラの時代」の終焉を示す結果でもあったようだ。筆者の柳沢保正さん(70)は元朝日新聞記者。カメラ好きで、店に通いながら聞いた宇津木さんの話をまとめた。

   戦後復興期を知る世代にとってはノスタルジーを楽しむことができそうな作品だ。柳沢さんは、若い人たちにも読んでほしいと考えている。「日本にかつてあった、戦争という暗黒時代からの復興を目指したエネルギーを感じてほしい」と話している。

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