ケミストリーが歌で伝える 「出会う」ことの素晴らしさ 

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『Face to Face』
CHEIMSTRY/2008年1月30日発売
DFCL1437 3059円
DefSTAR RECORDS


   FACE TO FACE→直接、面と向かって、向かい合う……様々の日本語訳になるのだが、要は電話で話すんじゃない、メールで会話するんじゃない、チャットなんて問題外! 会って顔、目を見つめ相手の体温を感じながらコンタクトするということ。

   たった10年ちょっと前まで、人と話すと言えば"会って話す"ということが当たり前だった。プライベートだろうがパブリックだろうが、恋もお金の算段も、顔が見えて初めて相手となにか言葉以上の通い合うもの(もちろん逆も)を感じられて、そこからなにかが生れるものだと理解していた。それが、怒涛のように携帯電話が普及し、FACE TO FACEという英語も日本語の"直接会う"という言葉も、なにか特別な言葉のように思えてきた今日この頃。

   電話やPCで人とコンタクトを取るのは、あくまで直接出会うためのステップであり、ハッキリとした目的を持つ行為だったのだが、子ども達はダラダラと携帯でしゃべり続け、しゃべること自体が目的と化している。人生の、生きることのすべてが掌にすっぽりと収まる感覚を、子ども達は既に持っているのではないかと思ってしまう。

   人と出会うことの素晴らしさは、会わなければ分からないが、会えば分かる。

   ケミストリーは今年でデビュー7年。かつてテレビ東京で放映されていたオーディション番組「ASAYAN」で堂珍嘉邦と川畑要が"出会い"、異質な2人の出会いが音楽的な化学反応をおこして欲しいとケミストリーと名づけられたという。歌の上手さは他の追随を許さない。2人が歌うと空気が変わる。

   今回のアルバム以前にすでにオリジナルアルバム4枚、他のベストなどを含めると8枚のアルバムを発表しているが、今度のアルバムは、まさに2人が向き合って丁寧に作ったことが良く分かる作品に。ことに2人がそれぞれに作詞している「Daydream」(川畑)、「ココロとコトバ」(堂珍)は、新しいケミストリー誕生を示唆しているようで良い。

   全14曲中、映画の主題歌、TVCM曲など、CD以外のメディアで聴いてきた曲が6曲もパッケージされていて聴き応えあり。

   話は戻るが、今の日本の、この急速な疎外感の増大は異常だ。できることなら携帯電話も便利なひとつの道具として使いながら、人と会うことを大事にしようではないか! ケミストリーも"会った"から生れたことだし。

   ちなみに、3月30日の大阪フェスティバルホール~7月4日の日本武道館までの、「CHEIMSTRY 2008全国ツアー」が始まる。ここにも出会いはある!


【Face to Face 収録曲】
1.-overture-
2.空の奇跡
   *シャープ「AQUOSケータイ」TV-CMソング('07年4月~)
3.君のキス
4.This Night
   *MBS/TBS系全国ネットアニメーション「地球へ…」エンディングテーマ('07年7月~)
5.砂の扉
6.約束の場所
   *「クノール」TV-CMソング('06年10月~)
7.輝く夜
   *「TOYOTA プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2007」公式テーマソング('07年12月~)
8.Hold On
9.Ai No Wa
10.Daydream
11.遠影 Feat. John Legend
   *映画「オープン・シーズン」日本語版テーマソング('06年12月~)
12.Deep Inside Of You
13.最期の川
   *映画「象の背中」主題歌('07年10月~)
14.ココロとコトバ


◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70〜80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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