「奥田民生の9枚目」 言葉の使い方の巧みさに、唸る

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『Fantastic OT9』
奥田民生/1月16日発売
SECL-579 3059円
Sony Music Entertainment


   「ミュージシャンズミュージシャン」という言葉がある。他のミュージシャンから尊敬され、作品の良さを認められる、ミュージック・シーンに欠かせないミュージシャンを指す。例えば細野晴臣、例えば大瀧詠一、松任谷由実、中島みゆき……数多い。

   誰がミュージシャンズミュージシャンなのか? 分かりやすくトリビュート・アルバムなどが出ているミュージシャンはそうだろうと判断するのも、あながち間違いではない。トリビュート・アルバムというのは、基本的にミュージック・シーンに功績があったと思われるミュージシャン/アーティストをトリビュート(賞賛)する意味をこめて、複数のミュージシャンが賞賛に値するミュージシャン/アーティストの楽曲をカヴァーするという形になる。海外ミュージシャン/アーティストで言えば、レッド・ツェッペリン、ジョン・レノンなどなどのトリビュート・アルバムが出ている。

   他のミュージシャンから尊敬を集める、あるいは作品の良さを認められるというのは、これはミュージシャン冥利に尽きると言うものだ。

   若手(もうそんな歳でもないか……)で今もバリバリに活動する中にも、トリビュートされるミュージシャン/アーティストがいる。奥田民生。07年には『奥田民生カバーズ』というタイトルのトリビュート・アルバムが発売されている。参加ミュージシャンは木村カエラ、スピッツ、GLAY、井上陽水、PUFFY、ウルフルズ、チャットモンチー、サンボマスター……といった今をときめく面子が並ぶ。

   これは周知のことと思うが、奥田民生は1987年にユニコーンというバンドでデビュー、7年間のバンド活動の後、休養期間を経てソロ活動を開始。プロデューサーとしてPUFFYを育て、多くのミュージシャンに楽曲を提供してきた。その特異な音世界はどこか緩い印象を与えるのだが、まさに「ロッケンロール」。

   その奥田が2年9ヶ月振りに出したオリジナル・アルバムが『Fantastic OT9』。「OT9」とは「奥田民生の9枚目」という意味。楽曲のタイトルを見るだけで、これぞ奥田民生という言葉が並ぶ。言葉の使い方の巧みさに、唸る。音も申し分ない。トリビュート・アルバムが出るのも納得できる出来栄え。


【Fantastic OT9 収録曲】
1.イナビカリ
2.スルドクサイナラ
3.フロンティアのパイオニア
4.愛のボート
5.いつもそう
6.アドレナリン
7.3人はもりあがる(JとGとA)
8.カイモクブギー
9.ちばしって
10.今から海を
11.鈴の雨
12.なんでもっと
13.無限の風
14.明日はどうだ

Yahoo!ミュージック・サウンドステーション「奥田民生」
(「Fantastic OT9」収録の曲を聴くことができる。2008年2月14日まで公開)


◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70〜80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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