「ジャネットらしさ」全開だ 新作のテーマは近未来?

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『ディシプリン/ DISCIPLINE』
ジャネット/2008年2月27日発売
UICL-9067(初回限定特別価格盤 CD)/2200円
UICL-9065(完全限定デラックス・エディション CD+DVD)/3500円
アイランド・デフ・ジャム/UNIVERSAL INTERNATIONAL


   ジャネット・ジャクソン改めジャネット。アフロアメリカンを代表するディーヴァ。

   これまでにオリジナルアルバムを9作、リミックスやベストを加えれば12作品を発表している。合計すればアルバム1億枚のセールスに手が届こうかというまさにディーヴァ。今回がオリジナルとしては10枚目になるのだが、変わった。と言うより、ジャネットらしさが全開なのだ。

   これまでにA&Mに11年、ヴァージンに14年在籍してきたが、今回の10作目はアイランド・デフ・ジャムに移籍、それに伴ってかどうかはわからないが、20年以上もコンビを組んできたジャム&ルイスという彼女のすべてを理解し、スターダムにのし上げてきた名プロデューサー・チームとも組まなかった。

   その代わり、Ne-Yo 、トリッキー・スチュワート、ロドニー・ジャーキンス、ジャーメイン・ディプリ(現在の恋人)といった当代一流のクリエーターを起用、ジャネットの最も'おいしい部分'をピックアップしたようなアルバムに仕上げている。メロディという、音楽の最も重要なファクターに視点を合わせているように思えるほど、どの曲もメロディラインが良い。テーマ、モチーフは近未来?

   ジャネットといえばちょうど4年前のスーパーボウルのハーフタイム・ショーでの'オッパイポロリ事件'があったが、彼女が世界に与える印象とは裏腹な、ハードな側面も持ち合わせている。

   彼女の代表作のひとつ『リズム・ネイション 1814』では人種問題などかなり政治的に踏み込んだ内容を歌っていたし、『ザ・ヴェルヴェット・ロープ』では、DVへの言及なども含め、際どい性的な表現を多用した。それも売らんがためのモチーフに過ぎないという向きもあるが、本当のところはわからない。

   アルバムタイトル『ディシプリン』には「規律」という意味があるが、ジャネットからは確かに不器用ともいえるある種の規律正しさを感じる。最愛の兄貴・マイケルにも同じような規律正しさがあれば良かったのに……。そういえば今年は『スリラー』の25周年にあたる。マイケルはニューヴァージョンを制作しているようだが……。

   それにしてもなぜ'ジャクソン'を名乗らなくなったのだろう? ジャクソンファミリーへの決別宣言? そんなわけないか!?


【ディシプリン 収録曲】
01. I.D (インタールード)
02.フィードバック
03.ラヴ
04.スピニン (インタールード)
05.ローラーコースター
06. バスルーム・ブレイク (インタールード)
07.ロック・ウィズ・ユー
08. 2 ナイト
09.キャント B グッド
10. 4 ワーズ (インタールード)
11. ネヴァー・レッチュー・ゴー
12.トゥルース・オア・デアー (インタールード)
13.グレイテスト X
14.グッド・モーニング・ジャネット (インタールード)
15.ソー・マッチ・ベタ
16.プレイ・セレクション (インタールード)
17. ザ 1 feat. ミッシー・エリオット
18.ワッツ・ユア・ネーム
19. ザ・ミーニング (インタールード)
20. ディシプリン
21. バック (インタールード)
22.カーテンズ
23.レット・ミー・ノウ ★
24.フィードバック(ラルフィ・ロザリオ・エレクトロショック・レディオ)★
★ボーナス・トラック


◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70〜80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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