安心して聴ける「いきものがかり」 男女3人のバランスが絶妙だ

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『ライフアルバム』
いきものがかり/2月13日発売
ESCL-3046 3059円
EPIC RECORDS


   男が弱くなったのか、はたまた女性が強くなったのか……。ウーマンリブなどと言われていた70年代が懐かしい。

   あの頃は強がる女性と、実際に強い女性、そして大多数を占める引っ込み思案で奥ゆかしい(?)女性が、見事なほどくっきりと色分けされていた。時代が女性を強くしたのか、女性が時代を変えたのか、今となってはどっちでもいいが、30年以上経った今、満遍なく女性は強い。

   昔、強い女性の代名詞は四国の女性だった。何を根拠に言われた言葉なのか判然としないが、四国の女性が通った痕はぺんぺん草も生えないと言われた。それほど生命力に溢れ、すべてを飲み込んでいくような存在ということなのだろうと理解しているが、今の女性の強さはそれに近いかもしれない。

   本来なら母親になること、子を育てることで獲得するような生命としての本源的な強さに近い強さを披瀝し始めている気がする。家庭では家事をさせるために亭主をあごで使う。職場でも自己主張の塊……自分自身を守るための強さ。太刀打ちできないところがある。

   音楽の世界では、女性上位が決定的だ。男は束になって女々しい恋歌を歌い、女性は一人で世界を救うと歌う。たまさか男女が一緒にグループを作ると、メインは女性で、男は彼女に付き従う。ガールズバンドなどという言い方が陳腐に聴こえるほど、女性の作る音楽のクオリティーは高い。客寄せパンダではないのだ。

   今回紹介するいきものがかりは、女性一人と男性二人の3ピースバンド。ヴォーカルは吉岡聖恵。作詞・曲は水野良樹(G、Vo)と山下穂尊(G、HARMNICA)が担う。この三人のバランスが良い。吉岡の居ずまいも本当にナチュラルで、聴いていても観ていても安心できる。衒ったところもない。なにか男女のグループと言う気がしない。人間のグループとでも言えばいいのか。

   音は「泣き笑いせつなポップ3人組」だそうだが、2枚目のアルバムでこのクオリティーは、小父さんでも聴ける!


【ライフアルバム 収録曲】
1.Good Morning
2.茜色の約束
   (au LISMO CMソング)
3.夏空グラフィティ
   (アクエリアス ビタミンガード CMソング)
4.青春ライン
   (TBS・MBSほかTVアニメーション「おおきく振りかぶって」主題歌)
5. soup
6.ソプラノ
7.花は桜 君は美し
8.ちこくしちゃうよ
9.心一つあるがまま
10.ニセモノ
11.東京猿物語
12.月とあたしと冷蔵庫
13.茜色の約束 -acoustic version-


◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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