世界的に有名なブランド「シャネル」の商標を侵害したとして、「スナックシャネル」(神奈川県横須賀市)に対し東京地裁が2008年3月12日、店名の使用禁止と250万円の賠償を命じた、と報じられた。商標侵害でなくても、著名な企業名使用は法律違反になる可能性もあり、今後もブランドイメージ「タダ乗り」は厳しく追及されそうだ。企業が訴えなくても、刑事裁判になるケースも東京地方裁判所は「スナックシャネル」に賠償を命じる判決を出した過去にもシャネルは「スナックシャネル」(千葉県松戸市内)、ラブホテル「シャネル」(福岡市)に対して訴訟を起こし、勝訴している。「シャネル」日本法人の法務部担当者は、「今回の判決は当然のこととして受け止めている」と話した。また同社では約20年前から対策に取り組んでおり、これまでに該当する企業等に300通の警告書を送ったという。それだけ違反している会社が多かった、ということだ。シャネルと並ぶ著名ブランドでも状況は似ている。例えば、そのブランド名をそっくりそのまま社名に使用している、ある県の婦人服小売業者は、「30年間、同じ名前です。特に問題は起こっていません」と言い、問題意識は全くない様子だ。今後も社名を変える予定はないという。また、同じくブランド名を使用している土木業者は、「社名の由来は全く別。業種は異なり、ブランドの恩恵にあやかるつもりはない」と話す。この企業が所在する県内には、類似した社名が2~3社あるらしい。全国では複数例が確認できた。なかには社名に加え、ビル名にも堂々とブランド名を使用している例もあった。著名な名称等の使用を規制した「不正競争防止法」の所管元である経済産業省の担当者は、「企業が訴えなくても、法に基づいて刑事裁判になることがある」と指摘する。警察が「不正競争防止法」に触れると判断したら、事業主は検挙されるかもしれないのだ。ブランドイメージの「タダ乗り」は、やはり危険だ。
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