2024年 4月 25日 (木)

中島みゆきは「魔女」 聴かないと禁断症状が……

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『歌旅』
中島みゆき/2008年6月11日発売
YCCW-10047/3150円
ヤマハミュージックコミュニケーションズ


   この世の中には「魔女」がいる。なんというか、とても一筋縄ではいかない感じで、こちらの思いの方向を軽くいなしてくれる。それでも語ることは正論で、過ちを許さないようなところもある。だからといって四角四面ではなく適度なユーモアと己に対する揺ぎ無い自信に溢れている……。滅多にいないが、たまにいる。

   思い込みで書かせてもらいます。中島みゆきは「魔女」です。多くのみゆきファンは、何を言ってるの? というところでしょうが、彼女は「魔女」です。

   人の心を捉えて離さない。中島みゆきの音楽とはじめてであったのは70年代の半ばだった。暗くて重いフォークを歌っていた。その頃から彼女の音にはつかず離れず。とてもじゃないが、もしこんな女とつきあったらボロボロになるんじゃないか、というような恐怖すら感じる歌で、諸手を上げてファン、というわけにはいかなかった。それがラジオのDJなどでは、歌の世界観とはまるで正反対に開けっぴろげで天然のキャラクターを披瀝して、逆にそれも怖かった。

   だが、彼女の歌の世界観は、妙に麻薬めいたところがあって、たまに聴かないと禁断症状がでる。そんなわけで昨年(2007年)暮、彼女のツアーに出向いた。そのステージは圧巻で、1曲目の「御機嫌如何」に始まり、披露してくれた曲はアンコールも含め全19曲。1980年代の「蕎麦屋」、「ファイト!」、「背広の下のロックンロール」と様々な表情の楽曲がどんどんと耳に流れ込んでくる。もちろんアンコールで「地上の星」も歌った。  全国32ヶ所。10万人を動員した「中島みゆきコンサートツアー2007」の、これはライブ盤。ほとんど丸ごとツアーをパッケージしている。同時にDVDも発売されるが、両方そろえると完全版になるそうだ。

   とりあえず、CDだけでも置いておけば、しばらくは禁断症状を乗り切れる。


【歌旅 -中島みゆきコンサートツアー2007- 収録曲】
1 御機嫌如何
2 ホームにて
3 あなたでなければ
4 蕎麦屋
5 EAST ASIA
6 ボディ・トーク
7 昔から雨が降ってくる
8 ファイト!
9 誕生
10 本日、未熟者
11 背広の下のロックンロール
12 地上の星(ライブ・カラオケ・バージョン)

DVD『歌旅 -中島みゆきコンサートツアー2007-』
YCBW-10013~14/7350円

加藤普



◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70〜80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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