聴けば聴くほどゾクゾクする 「コールドプレイ」美しき傑作

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『美しき生命』
コールドプレイ/2008年6月11日発売
初回生産限定盤 TOCP-66805 2500円(紙ジャケット仕様)
通常盤 TOCP-66806 2500円
EMIミュージック・ジャパン


   2000年のデビュー以来「21世紀に入って最も成功したバンド」と評されるコールドプレイ。セールスという意味合いからも確かにその通りで、これまでに発表した3枚のアルバム『パラシューツ』『静寂の世界』『X&Y』は、全世界でそれぞれ1000万枚に上るセールスを記録している。それだけでなく、彼等の社会的スタンスも、アムネスティ活動やフェアトレードを支持する姿勢を鮮明にし、社会的責任を果たそうとしているように見える。

   そしてなにより、その音楽性の豊かさには文句の付けようもない。ことに最新作『美しき生命』は、壮大さ、躍動感、爽やかさ、ノイズ、エキゾティズム……音楽に必要な多くのファクターを持った、全く聴いていて飽きのこない傑作といえる作品。自分たちがワクワクする作品を作ったという『美しき生命』は、聴く者をそれ以上にゾクゾクさせる。

   Coldplayというバンド名は、詩人Philip Horkyの『Child's Reflections』という詩集に収められていた詩のタイトルをバンド名にしていた別のバンドから譲り受けた。そこにこだわったのも、分かる気がする。言葉の持つ力、圧力、浸透力といったものを、彼等は分かっていたのだろう。それは彼等の曲の詞の分かりやすさからもそう思う。

   サウンドはシンプルだが力強いもので、80年代の音も髣髴(ほうふつ)とさせる。プロデューサーは、ロキシー・ミュージックの初期の活動にも参加し現代音楽家でもあるブライアン・イーノと、ビョークとの仕事でも知られミキサーでもあるマーカス・ドラヴスが担当。

   作品の80%はライブの一発録音。ツアー先のチリ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコでは教会などでも録音、ロンドン、バルセロナ、ニューヨークなどでも録音されたそうだ。ちなみに5曲目の「ラヴァーズ・イン・ジャパン」は、明治神宮にインスパーアーされて作った曲だそうだ。

   8月9、10日の「サマーソニック」で来日、オオトリで出演する予定。足を運んで損はない!


【美しき生命 収録曲】

1.天然色の人生
2.哀しみのロンドン
3. ロスト!
4. 42
5. ラヴァーズ・イン・ジャパン
6. Yes
7. 美しき生命
8. ヴァイオレット・ヒル
9. ストロベリー・スウィング
10. 生命の幻影
11. ロスト?*
*日本盤ボーナス・トラック

Coldplay - Violet Hill


◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70〜80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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