近年のロハスブームでナチュラルコスメが人気を集めるなか、"食材を使ったコスメ"が注目されている。湯葉100%のパックから、自宅で作れる日本酒を使った化粧水などバラエティ豊かだ。「豆腐屋の手は色白」から生まれた「湯葉パック」湯葉をまるごとパックにした「雛(HIINA)」豆乳からできた湯葉をまるごとパックにした「雛(HIINA)」。販売しているi-on(東京都新宿区)の広報担当者によると、「原材料は豆乳100%というこれまでにないパック。添加物は一切入っていないので、肌が敏感な人にも安心して使ってもらえる」という。成分や作る工程は食用の湯葉と同じだが、より厚めに作っていて、パックが肌に密着し成分が十分に行き渡るように豆乳を多めに含ませている。そもそも"湯葉パック"を作ったきっかけは、豆腐屋の手が色白であることに着目したのだという。そこから女性社員によるプロジェクトが立ち上がり、試作を重ねて07年夏に販売を開始した。使い方はカンタン。冷凍保存されたパックを自然解凍し、洗顔後に約15分間、肌に乗せる。湯葉の表面が乾いたらパックを取り、ぬるま湯か水で顔を洗い流す。通常の洗顔では落ちない余分な皮脂や汚れを毛穴の中から溶かし出し、肌をやわらかくして化粧水や美容液の浸透を高めるという効果がある。ホームページには、「10代から気になっていた毛穴がすっきりした」「アゴのラインにできていた大人ニキビがよくなった」といった20代後半から40代前半の女性の感想が紹介されている。広報担当者は、「肌が白くなったという声もよく聞かれる。毛穴の汚れが落ちて肌が全体的に明るくなったためではないか」と話している。価格は5枚入りで6000円だ。1枚1枚が手作りであることと、冷凍のコストがかかっているためにやや高めだが、特にエステで使いたいという問い合わせが増えている。現在のところは、サイトで通信販売のみの扱いだ。日本酒や米ぬかを使って、手軽に作れる古くから、へちまから取った水(へちま水)を利用した化粧水や、薄切りにしたきゅうりを顔に直に貼るパックが知られているが、他にも色々な食材を使って自分で化粧品を作ることができるようだ。東京ガスのホームページ内の「食の生活110番Q&A」には、身近な食材で簡単にできるものが紹介されている。・日本酒を使った化粧水日本酒2カップにレモン1個を丸ごと入れ密閉し、冷蔵庫で2~3カ月ねかす。その後レモンを取り出す。有機酸が古くなった角質層に働きかけ、シワの予防や水分保持能力を高める。・米ぬかのパック米ぬかと小麦粉を6対4の割合で混ぜ、水を少しずつ加えながら糊状にする。顔などに塗り乾いたら洗い流す。ぬかのビタミンEや油分が肌の表面の角質層を潤し、しっとりさせる。・ヨーグルト・昆布パック昆布に2倍のぬるま湯を注ぎ、ミキサーでドロドロにする。流れない程度にヨーグルトを加える。ヨーグルトの乳酸とたんぱく質、昆布のミネラル分が肌に栄養を与えなめらかにする。他にも梅干やゆずの種を使った化粧水などが紹介されている。簡単で、何より安心できる材料で化粧品を作れるのが魅力的だ。一方、手作り化粧品には注意も必要だ。使用する前に必ずパッチテストを行うこと、防腐剤が入っていないので冷蔵庫で保存することと、ホームページでは注意を呼びかけている。
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