大学で利用「教育向けSNS」 互いのレポートを評価せよ!

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   昨今、大学ではインターネットを活用した学習への取り組みが活発だ。従来のように、教授が一方向的に話す講義以外にも、SNSなどを利用したインタラクティブな学習環境も登場している。学生向けに使い勝手のよいサービスを提供するベンダーも増え、大学では学生同士の相互のやりとりの場が増えているという。

学生同士がレポートを「評価」

慶應義塾大学の学生が使う「教職ログブック」。学生同士はコミュニティを作り、積極的に参加している
慶應義塾大学の学生が使う「教職ログブック」。学生同士はコミュニティを作り、積極的に参加している

   たとえば、ASAHIネットは教育機関向けポートフォリオ「manaba folio」と、教育機関向けのSNS「manaba」の2つのサービスを提供している。

   「manaba folio」は2008年6月にリリースされたばかりで、保存できるファイルの種類やサイズに制限がないのが特徴で、「コレクション(ポートフォリオ)」「コース」「コミュニティ」の3つの機能がある。慶應義塾大学の教職課程を履修する学生は、「manaba folio」をベースにしたポートフォリオシステム「教職ログブック」を実際に使用している。

   「コレクション」はレポートなどの成果物を蓄積していく場所。この「コレクション」は、自分以外の学生も参照できる設定も可能で、学生同士で議論・評価しあうこともできる。「コース」では教員からの連絡事項の伝達やレポートの提出が可能となっている。

   「コミュニティ」は学生や教員がグループを作り自由に参加できる場だ。「教職ログブック」内には、「教育格差について考える」「木曜4限 『教育基礎論』」「08年慶應女子高実習生コミュ」といったものがあり、いわば情報交換の場で、mixiに近い使い方ができるという。

   慶應義塾大学教職課程センターの鹿毛雅治教授は、2008年11月13日に行われた「ポートフォリオ、SNSの先端事例研究セミナー」で、同システムの使い方を次のように話している。

「授業は時間の限りのあるものですが、ネットを利用することで、授業時間以外の学習が広がります。実際、『高校の履修漏れ』を掲示板のトピックスにたてたところ、議論が盛り上がったことがありました。また、やりっぱなしの学習ではなく一度立ち止まり、自分自身を振り返ることができます。これはとても大事なことだと思うのです」

   なお、行き過ぎた議論の盛り上がりから、掲示板が荒れることは今のところないという。実名であることに加え、明確な学習意欲を持った学生が参加しているからだ。ただ、掲示板の利用を成績評価に加味することも学生に伝えてある。そうした取り決めがなければ「やっぱりやらないので」との教員側の本音もある。

「学生は不勉強の言い訳ができない」

   一方の「manaba」機能は、(1)レポートの提出、小テストの実施ができる「テスト・レポート・個別評価」(2)同一の講義に参加している学生と教員が質疑応答ができる掲示板「ディスカッション」(3)教師がページ内にホームページを作成してレジュメなどを配布できる「コンテンツ」の3つ。

   07年から利用している実践女子学園の例を見てみよう。たとえば、「環境心理学」の授業では、「テスト・レポート・個別評価」を利用されている。教員が「学びたいことについて書き込みなさい」との課題を与えると、学生は「manaba」にアクセスしてレポートを提出するという具合だ。

   また、「情報処理演習a」では、授業後、「manaba」を通じてレジュメを配布している。あわせて、小テストを実施し、学習成果を把握しているそうだ。「学外でもテストを受けられるので、学生は不勉強の言い訳ができない」と、教員側は話す。

   実践女子学園情報センターの鈴木明徳さんによれば、「掲示板の機能は、特に便利」とのこと。学生は疑問を感じたときに気軽に質問できるうえ、教員からの回答も迅速に得られることが好評だ。さらに、レジュメの配布もネット上でできるため、「あのプリントをもらっていません」といった質問も、ほとんどなくなっているという。

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