箱をあけたら「コレジャナイ」 そんな思い出ありませんか?

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   2008年のグッドデザイン賞に選ばれた「コレジャナイロボ」。あのアートディレクターの佐藤可士和さんも絶賛した、手作り感たっぷりのロボットだ。「きっと面白い人がつくっているに違いない」と、J-CASTモノウォッチ記者が会ってみたところ、やっぱり…。

デザインコンセプトは“ニセモノ感”“ザンネン感”

脱力系のユニークな商品を生み出している、ザリガニワークスの武笠太郎さん(左)と坂本嘉種さん(右)。手前が「コレジャナイロボ」
脱力系のユニークな商品を世に出し続けている、ザリガニワークスの武笠太郎さん(左)と坂本嘉種さん(右)。手前が「コレジャナイロボ」

   材質は木で、目や胸のマークはサインペン――。赤・青・白の3色のカラーリングは、どこかで見たことがあるような脱力感あふれる「コレジャナイロボ」。有限会社ザリガニワークスを経営する2人の個性派、武笠太郎さんと坂本嘉種さんが手作業でつくっているものだ。2001年の発売以来、敵キャラや仲間のバリエーションが増え、現在10種類がスタンバイしている。同社では、「コレジャナイロボ」以外にも脱力系の商品を日々生み出しており、そのユニークな方針が各方面で注目されている。

――「コレジャナイロボ」を思いついた いきさつは?

武笠 直接のきっかけはある漫画を読んでいたときのこと。それは、貧乏な家の子が「超合金のロボット」がほしいとお父さんにねだる話です。お父さんは手作りのロボットをプレゼントするんだけど、子どもは「これじゃない」と怒っちゃって――というエピソードでした。(ただ、後日談があって、彼はその手作りのロボットを机に飾っていたという良い話です)

――なぜ、その話に心をひかれたのか?

武笠 僕らの世代はロボットアニメがたくさん放送されていましてね。もちろん、ロボットのおもちゃもたくさん売っていたんですが、中には「パチモン」とよばれる“ニセ”のロボットもあって(笑)。親は興味がないものだから、「(特定の)このロボット買ってきて」といっても別の番組のロボットや「パチモン」を買ってきたりする。そんな「事件」がわりとあったんです(笑)

 僕はいま35歳なんだけど、僕らにとってはそんな思い出が共有できる話題なんです。だから、「そういうのあったよね」なんて言いながら、盛り上がれたら楽しいな、という気持ちがありました。「コレジャナイロボ」を制作したのはそんな思いから。名前がまず先に思い浮かんだんですが、デザインコンセプトは“ニセモノ感”“ザンネン感”“かっこわるさ”です。

プラモデルを壊れるまで遊び尽くした子ども時代


(※)「自爆ボタン」:ザリガニワークスのオリジナル商品。貼るだけで緊張感が漂うインテリアアクセサリー。誰かが押そうとしたら、「危ないっ!!」と叫んだりして遊ぶと盛り上がるそうだ・・・

――お2人にとっておもちゃとは何か?

武笠 最近のおもちゃは、ある番組の特定のキャラクターということが多いと思うんです。キャラクター=おもちゃみたいなところもあるでしょう。ですが、僕らはコミュニケーションツールとしてのおもちゃというように考えています。

 特定のキャラクターを知らなければ「私には関係ない」「知らない」となってしまうのが嫌で。別に知らなくても、これで一緒に遊ぼうよって思う。うちで作っている「自爆ボタン」(※写真を参照)にしても、特定の番組を意識しているわけではなくて、「こんなのあったじゃん」という感じで、いろんな人が盛り上がってくれるとうれしい。
坂本 子ども時代の遊び方と今のモノ作り(=おもちゃ作り)とは無関係ではないと思う。自分たちで遊びって作ってたよね――という思いがあるので。ああして、こうして遊びましょう……なんていう(決まった遊び方)の環境で育ってはいませんし。

――実際、子供時代はどんな遊び方をしたか?

武笠 ロボットのプラモデルを組み立てて、学校の非常階段の3階くらいの高さから投げる遊びをしていました(爆笑)。下にいる5~6人友達がいて、それぞれプラモを構えてスタンバイする。で、落ちてきたプラモめがけて自分のプラモを投げるんです(笑)。

 うまい具合に「ガシャン」とあたったら爆笑です! なかなか当たるものではないので、派手に壊れるのが面白いんです。アニメの爆破シーンみたいに。

――でも、当時、プラモデルは高価だったのでは?

武笠 当時300円ぐらいでしたかね。ただ、プラモデルを直してまた別の遊び方をしたし、もう壊れてしまって修復不可能になったら、爆竹を仕込んで爆発させたり、燃やしたり、溶かしたり……いろんな遊びをしました。

イタズラの場面を想像――それが仕事のモチベーション

初公開?製作中の「コレジャナイロボ」
初公開?製作中の「コレジャナイロボ」

――お2人からしたらいまの子どもの遊びをつまらないと思うのでは? ニンテンドーDS・PSPといったバーチャルなゲームが多いので

武笠 いや。いまでも子供は(ゲーム以外にも)勝手な遊びをしているのではないでしょうか。僕ら大人が知らないだけで。とりわけ、僕らの発信する商品は、ルールを自分たちで作って遊んでほしいなという願いがあります。

 いま、新商品の「いたずらグッズ」を企画中ですが、このおもちゃでも友達にイタズラしてみようぜとか、お母さんに試してみようとかわくわくしながら遊んでほしい。そんな場面を想像すると仕事のモチベーションにもなりますね。

――今後はどんな商品を作りたいか?

坂本 やはり、コミュニケーションを意識した商品を作りたい。その遊びが面白い、面白くないとかではなくて。コミュニケーション自体が希薄になっているような気もするからです。

 子どもには、いちばんリスクのない時代に無茶やって、いろいろやってほしいな、と思う。反対に大人には、自分で狭めた遊びをしないでほしいという気持ちがある。それこそ、子供のころバカみたいに遊んでいたわけだから、そんな気持ちを思い出してほしいと思う。
52曲を収録した「ザリガニミュージックアワード」
子供の頃に観たアニメや特撮番組の中には心に残った主題歌、エンディングテーマがきっとあるはず――コンピレーションアルバム「ザリガニミュージックアワード」

   そんな2人が選曲したアニメソングのコンピレーションアルバム「ザリガニミュージックアワード」が2008年12月17日、コロムビアミュージックから発売される。アニソンの巨匠、水木一郎さんが熱唱したコレジャナイロボのテーマ「IT IS NOT THIS!コレジャナイロボ!」や「コレジャナイ音頭」も収録。武笠さんいわく「自分が知らない曲が入っていても、昔こんな番組あったなー、などと皆で盛り上がってもらえたらうれしい」とのこと。3枚組。全52曲を収録した。価格は4200円。販売元:コロムビアミュージックエンタテインメント。


【プロフィル】
武笠太郎
1973年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。ザリガニワークスの工作担当。(有)ザリガニワークスの代表取締役をつとめる傍ら、玩具を中心にした作品作りでプランナー&ディレクターとしても活動中。趣味はホームセンター散策。
坂本嘉種
1969年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。ザリガニワークスのデザイン担当。ほか、グラフィックデザインを中心に、個人名義によりイラストレーターもこなしている。

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