「椎名林檎」に翻弄される26曲 さいたま激震のライブDVD

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DVD
椎名林檎
『Ringo EXPO 08』
TOBF-5620
4850円
3月11日発売
EMI MUSIC JAPAN

   08年の11月28~30日の3日間で、さいたまスーパーアリーナに5万5千人!! 椎名林檎デビュー10周年の締めくくりで開催された『椎名林檎 (生)林檎博'08 ~10周年記念祭~』は、圧巻だった。初日の28日に足を運んだのだが、あの広いスーパーアリーナを2万人近い林檎ファンが埋め尽くしていた。椎名林檎のパフォーマンスは、設えられたオーケストラボックスに収まる65人の林檎博記念管弦楽団、ゲストの兄・椎名純平、4人のダンサー、阿波踊りの連や、亀田誠治(B)、名越由貴夫(G)、河村"カースケ"智康(Dr)という凄腕バックバンドは登場したものの、ほぼ椎名林檎一人のパフォーマンスを観る印象だった。林檎一人に目の焦点が合ってしまうのだ。

   「ハツコイ娼女」から始まった全26曲のステージは、カヴァー曲、未発表曲、新曲と東京事変の「御祭騒ぎ」1曲以外は、すべて椎名林檎が椎名林檎としてあり続けた10年を彩った曲ばかり。

   時に女としての色を、時に性という武器を、時に母としての母性を感じさせながら進行していくステージは、時の経つのも忘れるほどタイトでありながら、椎名林檎に抱かれているような安心感すら感じるものだった。時として、突き放されているようでもありながら、そこから逃げられないM男のような心境にすらなった。これはおじさんの素直な感想。

   こういう存在は稀有だなと思う。

   これは、そのスーパーアリーナでのライヴを収録したDVD。以前にもこの欄で10周年記念CD『私と放電』を取り上げたが、これはそこに椎名林檎の「ライヴ映像」が単に加わったというものではない。椎名林檎のライヴ・パフォーマンスは、CD音源とはまた別物なのだ。

   東京事変としての活動が続いていた椎名林檎だが、5月27日(椎名林檎のデビューデイ)には、林檎単独名義では5年半ぶりのシングル「ありあまる富」(TOCT-40255/1000円)をリリース予定。この曲、林檎初のドラマとのタイアップ作品。ドラマは松本潤、新垣結衣主演の話題作、4月17日スタートのTBS系金曜ドラマ「スマイル」(毎金曜22:00~放送)で、「ありあまる富」はその主題歌。

   30歳を越え、これからは椎名林檎の熟した魅力が爆発しそうな予感がある。

【Ringo EXPO 08 収録曲】
1. ハツコイ娼女
2. シドと白昼夢
3. ここでキスして。
4. 本能
5. ギャンブル
6. 宗教 (inst)
7. ギブス
8. 闇に降る雨
9. すべりだい
10. 浴室
11. 錯乱
12. 罪と罰
13. 歌舞伎町の女王
14. ブラックアウト
15. やつつけ仕事 (inst)
16. 茎
17. この世の限り
18. 玉葱のハッピーソング
19. 夢のあと
20. 積木遊び
21. 御祭騒ぎ
22. カリソメ乙女
23. 正しい街
24. 幸福論
25. みかんの皮 (処女作)
26. 余興(仮) [新曲]


◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70〜80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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