エスニックな香り漂う ブリジット「ラジオのように」

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ブリジット・フォンテーヌ
『ラジオのように』
OMCX-1212
定価2625円
08年発売
オーマガトキ



   過日、以前から興味のあったフランス人アーティスト、サン・セヴェリーノのコンサートに出向いた。簡単に言えばフランスのシャンソンやマニュース・スウィング、過激なスキャット等がない交ぜになって、ひときわエンタテインメント性の高いステージを繰り広げる、フランスでは高い人気を誇るアーティストで、フランスのエスプリを久しぶりに堪能した。

   昭和30~40年代にかけて、日本ではポップスというと、アメリカン・ポップスはもちろんだが、ヨーロッパのフランス=シャンソン、イタリア=カンツォーネなども同じような比率で聴こえていた。いつの頃からか、アメリカ、イギリスの英語圏ポップスばかりになってしまったが……。

   その、フランスのポップスというと、セルジュ・ゲインズブール、ジェーン・バーキンの「ジュ・テーム」を思い出してしまう小父さんも多いと思うが、ゲインズブールのあの反体制的革新性は、前述のサン・セヴェリーノなども継承している。

   と、ここまで書いて、ふっとブリジット・フォンテーヌを思い出してしまった。サン・セヴェリーノのCD紹介をしようと思っていたのだが、急遽ブリジットに心が動いてしまった。

   日本でフランスの音楽が大々的に紹介された時代の、ほとんど最後、1960年代から70年代初め頃に、ブリジットのアルバムが日本でも話題になった。当初はジャック・イジュラン、ジャン=クロード・ヴァニエなどとアルバムを作っていたが、ピエール・バルーの立ち上げたレーベル=サラヴァに移り、アレスキ・ベルカセムと共にアルバム制作を行ったサラヴァ時代のレコード音源などは、今でも充分に聴き応えのあるものだと思う。ブリジットの作る音は、アヴァンギャルドでジャジーで、時にエスニックな香りも漂う。最近の音はトンと聴かないが、ヴァージン・レーベルなどからCDが出されていて、今でも活動している。

   サラヴァ時代の音源が、CDの紙ジャケ仕様になって出されていると聞いて、手に入れた。本当に久しぶりに聴く音源だが、また、しばらく手放せないものになってしまった。特に、アレスキーと組む前に出されたアート・アンサンブル・オブ・シカゴとの共作『ラジオのように』(1969年)、初めてアレスキーと組んで作った『ブリジットIII』(1972年)、正式なアレスキーとのコラボ作品『私はこの男を知らない』(1973年)は聴くことをお勧めする。

加藤 晋


ブリジット・フォンテーヌ サラヴァ時代の作品(各2625円)
*完全生産限定盤/オリジナル・ジャケット&レーベル仕様/リマスタリング
*☆は08年発売済 ★は09年9月30日発売

ブリジット・フォンテーヌ
『ラジオのように』☆
OMCX-1212
『野ばらは素敵かもしれない』☆
OMCX-1213
『ブリジット・フォンテーヌは…』★
OMCX-1229
『ブリジットⅢ』★
OMCX-1230
ブリジット・フォンテーヌとアレスキー
『私はこの男を知らない』★
OMCX-1231
『幸福』★
OMCX-1232
『あなた達と私達』★
OMCX-1233

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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