レディー・ガガ『ボーン・ディス・ウェイ』通常盤(CD)UICS-12302500円5月23日発売ユニバーサルインターナショナルAKB48『ここにいたこと』通常盤(CD+DVD)KIZC-117/83200円6月8日発売キングレコード5月23日に世界同時発売されたレディー・ガガの3rdアルバム『ボーン・ディス・ウェイ』は、全世界同時発売直後から売れに売れた。13か国以上のアルバムチャートで1位に輝き、ネット販売も含めた最大の予測では500万枚を突破、本国アメリカで250万枚越えし、日本でもたった1日で50万枚突破!! だそうだ。彼女がいち早く東日本大震災支援の声を上げたことと無関係ではないだろうが、それにしても、この日本での数字は構造的なCD不況という中にあってまさに驚異だ。ところがこの日本にあって、数字的にレディー・ガガに匹敵する存在がいる。驚きなのだが確かにいる。それがAKB48。徹底的に作り込んだキャラクター本当なら4月に発売が予定されていた、こちらも3rdアルバム(オリジナル・アルバムとしては初)に当たる『ここにいたこと』が、東日本大震災と重なり6月8日に発売延期となっていたが、その初回の出荷枚数が200万枚越えだというのだ。それが本当なら腰が抜けるほどの驚きだ。少し前に「予約70万枚、初回出荷100万枚、最終累計140万枚の予想」と聞いていたのだから。そこで、レディー・ガガ、AKB48になにか共通する「売れるファクターはあるか?」と考えてみた。徹底的に作り込んだキャラクターというのは、共通点としてあるかもしれない。レディー・ガガは音楽だけでなくファッション界にあっても21世紀最高のポップ・アイコンであり、そのことを自覚し自負している。だから、レディー・ガガは、個人でありながら既に自らをブランドと化し、何物にも代えがたい存在としてポップ・カルチャーに君臨している。1人でガツガツと壁に穴を開けていく。その生き方、言動は世界に大きな影響を与え、2010年には『タイム』誌が世界で最も影響力のある有名人を選ぶ「タイム100」のアーティスト部門第1位に選ばれている。ツイッターのフォロワーも1000万人を越えている。両者のアルバムタイトルに「かぶるものがある」AKB48は、正反対だ。まるで点描法のジョルジュ・スーラの絵のように、大人数で没個性(もちろんそれぞれに個性的で、少しずつ花開きつつあるが)ではあるが、受け皿としてのAKB48という「像」を皆で描いていく。一人一人は単なる点だが、距離を置いて俯瞰してみると、AKB48という像が浮かび上がる。そしてその個性を、総選挙などといった様々なファクターで変化させていく。レディー・ガガとは真逆で、対極にあるような気がする。もうひとつ共通点があるとすれば、「限界を越える」モチベーションだろうか。レディー・ガガは個人の営為として尖りに尖り、AKBは集団として際限なく拡散し「没個性」を目指す……。なにか、アメリカと日本というお国柄を体現しているような。レディー・ガガのアルバム・タイトル『BornThisWay』は「こうなる運命のもとに生まれてきた」という意味だが、良く見ると、AKB48は『ここにいたこと』というタイトルで、なにかかぶるものがある。結局はどちらも売れているわけで、CD販売という点では、いずれの方向性での展開も、まだまだ可能性が残されているといえなくもないか……。加藤普【ボーン・ディス・ウェイ 収録曲】1.マリー・ザ・ナイト2.ボーン・ディス・ウェイ*KDDI「au」CMソング3.ガバメント・フッカー4.ジューダス5.アメリカーノ6.ヘアー7.シャイセ8.ブラッディー・マリー9.バッド・キッズ10.ハイウェイ・ユニコーン(ロード・トゥ・ラヴ)11.ヘヴィー・メタル・ラヴァー12.エレクトリック・チャペル13.ユー・アンド・アイ14.ジ・エッジ・オブ・グローリー15.ボーン・ディス・ウェイ-ヨスト&ナーフ・リミックス-*16.ボーン・ディス・ウェイ-LLGVSGLGラジオ・リミックス-***インターナショナル・ボーナストラック**日本盤ボーナストラック【ここにいたこと 収録曲】[CD]1.少女たちよ2.Overtake(TeamA)3.僕にできること(TeamK)4.恋愛サーカス(TeamB)5.風の行方6.わがままコレクション7.人魚のバカンス8.君と僕の関係9.イイカゲンのススメ10.Highschooldays(Team研究生)11.チームB推し(TeamB)12.チャンスの順番13.Beginner14.ポニーテールとシュシュ15.ヘビーローテーション16.ここにいたこと(AKB48+SKE48+SDN48+NMB48)[DVD収録内容]振付映像収録1.ポニーテールとシュシュ2.ヘビーローテーション3.Beginner4.チャンスの順番
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