2024年 5月 2日 (木)

女子サッカーW杯・MVP澤穂希 強さの秘密は「メンタル」にあり!

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   女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」をワールドカップ優勝に導いた、澤穂希選手。大会MVPで得点王にも輝いた日本のエースの、一体どんなところがすごいのか――。このほど、澤選手が過去に書いた2冊のサッカー本と自叙伝の「緊急」増刷が決まった。それらを読むと、澤選手の凄味は、そのメンタルの強さに隠されていることがわかる。

講談社と河出書房新社 「澤」本の増刷決まる

2冊の「澤」本(左が講談社「直伝 澤穂希」、右が河出書房新社「ほまれ」)
2冊の「澤」本(左が講談社「直伝 澤穂希」、右が河出書房新社「ほまれ」)

   講談社の発売したサッカー本「直伝 澤穂希」(2008年出版)は、2011年7月28日までに、2万部を増刷する。日本がワールドカップを制し、澤選手のMVPおよび得点王に輝いたことから、急きょ決まった。澤選手のサッカーの技術を中心にまとめているが、メンタルや心構えに関する記述にも多くページを割いた。日テレ・ベレーザ時代の写真も満載だ。トレーニングの仕方から、食事や睡眠の取り方、体や肌のケア方法、オンとオフの切り替え方まで、話題は多岐に及ぶ。編集担当者はこう話す。

「サッカーの技術について澤選手の経験も交えながら、それでいて彼女の人柄というか人間的な部分も書かれています。(メンタルについても多く触れたのは)実際、澤さんといると、メンタルの話が多いので。彼女はよく、自分だけできても試合には勝てない、周囲といかに連係できるかが大事だと言います。チームスポーツのサッカーが好きなのは、みんなで喜びを分かち合えるからだ、とも。こうしたサッカーに取り組む『考え方』は、ふだんの生活でも参考になるのでは」

   一方、河出書房新社の発売した自叙伝「ほまれ」(2008年出版)も、2011年7月29日までに、3万3000部を増刷する。準々決勝のドイツ戦に勝ってから3000部の増刷が決まった後、優勝決定後さらに3万部を追加したという。初版は5000部だったというから、一挙に6倍もの増刷は「思い切った数」だと広報担当者は話す。

座右の銘は『夢は見るものではなく叶えるもの』

   澤選手が6歳でサッカーをはじめてから、15歳で日本代表入りし、国内リーグの休止やアメリカへの移籍を経て、国際大会で活躍するに至るまでが書かれている。関係者やチームメートたちの証言の中で、全員が口を揃えているのは「澤選手は精神的に強い」ということだ。

   中でも象徴的なのは、2004年のアテネ五輪最終予選。練習中の膝のケガで、五輪出場をかけた強豪・北朝鮮戦(4月24日)への出場が危ぶまれたが、チームメートたちの懇願から、痛み止めを打って強行出場する。ケガとは思えないプレーでチームを勝利に導いたが、試合を終えてから、全治2か月の大ケガだったと判明。サッカー選手にとって膝のケガは、選手生命を左右しかねない。

   それなのに、澤選手は5月に手術をして、7月のアテネ五輪までに復帰するという離れ業をやってのけるのだ(アテネ五輪は全試合フル出場!)。もちろん短期間での復帰だけに、そのリハビリの過酷さたるや、想像を絶するものだったに違いない。こうしたメンタルの強さを感じさせるエピソードが、随所で語られている。

   河出書房の担当者は「澤選手のプライベートのことまでも包み隠さず率直に書かれています。今回のワールドカップでも見せた、絶対に諦めないという気持ちは、すでにこの中で書かれているんです」と言う。本の中で、澤選手は、自身の座右の銘『夢は見るものではなく叶えるもの』を掲げ、苦しみを乗り越えた先に、自分にしかわからない、甘美な喜びがあると書いている。夢や目標を持ち続けられることもまた、澤選手の強さの秘密なのかもしれない。

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