作家・川上未映子がJ-CAST番組に出演、「恋愛の、一瞬のきらめきを描きたかった」

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   芥川賞作家の川上未映子さんが2011年10月14日、J-CASTニュース提供の動画番組「J-CAST THE FRIDAY」(毎週金曜昼12時半~)に出演し、12日発売した最新小説『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)に込めた熱い思いを語った。

孤独を抱える年齢差のある男女が織りなす儚い「恋愛」

   川上さん初の長編恋愛小説となる本書の主人公・冬子は、34歳のフリー校閲者。人づきあいが苦手で引きこもりがちな彼女が、ふとしたことで出会った、高校の物理教師という58歳の男性に惹かれていく。「光」の話をしながら紡がれていく彼らの儚(はかな)い恋愛、また唯一の友人といえる仕事仲間の女性との関わりを通じ、冬子がこれまでの人生にはなかった、新たな「世界」を獲得するまでの様子を、独特の瑞々しい文体で丁寧に描いた作品だ。川上さんは、この小説を書くにあたり、実際にフリー校閲者と東京大学の物理専攻の教授に取材もしたそうだ。

   「私たちに降りそそぐ光がどこからきて、どこへ消えていくのかが、結局のところ、わからないように、恋愛もどこから始まって、どう終わるのか、誰にもわからない。はたして好きという気持ちだけで成立しているのか、とか……。ただ、その一瞬のきらめきは、たしかにそのとき存在している。儚(はかな)いけれど、それだけがあれば生きていける光のようなものを恋愛小説として描いてみたいと思いました」と川上さん。

   また、「58歳と34歳という設定したのは、男女それぞれがモラトリアムを感じやすい年齢だと考えたからです。彼らは孤独で不器用な人々です。炎でいえば、真っ赤に燃え盛っているような恋愛が物語にはなりやすいですけれど、本作ではあえてそれを排除して、炎の先端の青白い部分、実はもっとも温度が高いところに潜む静かなダイナミズムのようなものを表現しようという気持ちがありました」と語っている。

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