「アカシアオルケスタ」 藤原岬インタビュー!

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アカシアオルケスタ
2ndアルバム『メカシドキ』
OMCA-1144
2500円
11月30日発売
オーマガトキ


   【10月某日 オーマガトキにて】

   2010年12月、1stフルアルバム『タイクツシノギ』でメジャー・デビューして1年、アカシアオルケスタ2ndフルアルバム『メカシドキ』が2011年11月30日にリリースされる。2011年8月からは、2ndフルバムに収録される「ステージ」(8.31)「愛撫」(9.28)「アカツキ」(10.26)の3曲を3ヶ月連続で配信限定リリース、バンドとしての勢いを目一杯つけてのアルバム・リリースとなる。

   ヴォーカル担当、バンドのメッセンジャーでもある藤原岬嬢にインタビュー。2011年を総括しながら、2012年に向けての思いを語ってもらった。

<インタビュー・文責/加藤普>

6月、満を持して仙台で復興支援のライブ開催

   アカシアオルケスタのバンドとしてのポテンシャルの高さは、一度聴けば誰もが納得する。それはデビュー・アルバムを聴くだけでも充分に伝わってくるものだった。

   関西を中心にした彼らの活動エリアが、アルバムリリースを機に一気に全国区へと広がったことでも良くわかる。

   ことに東北・仙台での彼らの受入れられ方は、地元関西をも凌ぐものだった。だから、あの3.11東北大震災はアカシアオルケスタにとって、大きなショックだったという。

藤原 「震災の起きたのが、ちょうど仙台に行こうとしていたタイミングだったんです。メンバー個々に相当ショックを受けて。私自身も人間関係を含めた部分で大きなショックがありました。仙台で応援してもらっていたということも含めて、震災は私たちに大きな影響を与えました。周囲のバンドはライブをキャンセルせざるを得なくなったりしていましたが、私たちは続けていこう、決まっているライブは全部やりきろうと。そして募金というより、活動を続ける中でCDを買ってもらったりした売り上げの幾許かを被災地に届けたいと考えたんです。北川は個人的にボランティアで被災地に入ったりもしていました」

   アカシアオルケスタは6月、満を持して仙台で復興支援のライブを行う。それもストリートライブ。

藤原 「もう嬉しくて嬉しくて。夢みたいでした。ライブの前日に私のブログに仙台の女の子から『ずっと待ってました。無理だと思いますが、言わなくて後悔するよりもとりあえず伝えたい。「エナジー」という曲が聴きたいです』とメッセージが届いて。古い作品ですからセットリストには入れていなかったんですが、当日になって急遽演りました。そしたら演奏中に泣いている子がいて。『あ、もしかしてこの子なのかな』と。古い曲を知っていて、その曲を聴きたいと言ってくれるファンがいることに、本当に感激しました。皆が『仙台に来てくれてありがとう』と言ってくれましたが、こちらこそ『待っててくれてありがとう』という気持ちでいっぱいでした」

   「震災で確実に変わった部分がある」と藤原は言う。それは言葉で言えば、前作が「いまだけ」という言葉が当てはまるのに対してニューアルバムは「未来に向かっていかなければならない」部分が表現されているというのだ。

   その部分に関して北川がこんなことを言っている。「過去、現在、未来…今が有るのは過去の自分が居たから、今の積み重ねが未来を創っていく。だからこそ、『今』を必死に生きる」、そんな想いで作ったアルバムだと。

   仏教で言うところの「因果律」を根底に据えたような想い。それは藤原の書く詩に色濃く顕れている。

藤原 「個人的には、過去に例を見ないくらい歌詞にのめりこんで作りました。強い思い入れがあります」

   やはり北川は、この点に関して「真摯に心に迫って来る」と言い、「藤原の生きてきた、今までと、これからが詰まっているんだと思います。生き様が歌に出ている」と評する。配信限定リリース第2弾「愛撫」の詞に関して藤原はこんなことを言った。

藤原 「阿部定の事件、恐ろしいけれどものすごく共感できる部分もある。狂気的に人を愛していくこととか最期をその瞬間で終えたい気持ちだとか、まったく綺麗事とかけ離れたことだけれど、凄い羨ましかったり。だからといってそうなりたいとは思いませんが、突き詰めると私が書きたいことってひょっとしたらそういうことだったのかなと」

   アルバムのレコーディングは、8月からおよそ2ヶ月をかけて録ったという。

藤原 「2012年に向けてアカシアオルケスタは始動するというメッセージを込めて、配信限定の3曲を7月に先に録り、一反レコーディングを中断してプリプロ作業を行いました。曲は2月くらいから創りためてきて5月には16曲くらいは上がっていました。先行した3曲以外の9曲を8月から録りました」

「人生、メカシテなんぼです」

   配信とCDというメディアに関して、藤原はこんなことを言った。

藤原 「配信も良いけれど、たまにはジャケットを手にとって聴いてもらえたら嬉しいな。曲間のインターバルにまで気を配って作るものなんで。曲を1曲単位で買えるのは良いことだけれど、盤面(コンセプト)として聴いてもらえるともっと嬉しいかな」

   そして問題はその内容だ。「言葉」というと口先で止まってしまうイメージがあるが、その連なりや響きを考えると無限に広がっていくものだという、「言葉の持つ力」を感じさせる作品に仕上がっている。それは「言葉遊び」としても楽しめるものになっている。

藤原 「前作の『タイクツシノギ』よりもタイクツシノギのできるアルバムになったなと思います(笑)。全部含めてアカシアオルケスタということで」

   例えば「愛撫」を聴いていると「愛撫して愛撫して」と歌っているような部分がある。だが文字面を見ると「I've stayed」となっている。「愛撫してもっと奥でいかせてよ」と聞こえる部分の文字面は「I've stayed もう遠くへ行かせてよ」

藤原 「聞く言葉と目で追う言葉は違う、そういう意味で言葉を二度楽しんでもらえたら良いなと思います」

   ニューアルバムの出来を、他のメンバーはどう評価しているかと聞いてみた。

藤原 「カッコイイしか言ってないですね(笑)。4人そろえば何かが起きるという自信はある。なにをやったところでぶれないという自信。北川は『オレの音で始まってオレの音で終わっているアルバム』と言うに違いないですけどね(笑)」

   まったく! 本当に本人達の言うとおり「カッコエエ!」としか言いようがない仕上がり。確かな自信を感じるし、余裕綽々で遊んでるイメージを持つぐらい軽やかで力が余ってる、そういうカッコよさ。最後の一言もカッコ良かった!

藤原 「人生、メカシテなんぼです。私たちの『メカシドキ』を、楽しんでください!」

【メカシドキ 収録曲】
1. 愛撫
2. ステージ
3. すっぱい葡萄とあまい檸檬
4. 赤に憂い
5. 悲恋歌の実体
6. 一人よがり
7. ズズたん
8. オニサンコチラ
9. 理想主義
10. 故にあたしは、幸せなのです。
11. アカツキ
12. 路

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール 1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。
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