まさに「眼福」…国宝天目茶碗も登場「悠久の光彩 東洋陶磁の美」展 サントリー美術館

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国宝 油滴天目茶碗 南宋時代 12-13世紀 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真撮影:三好 和義 ※展示替えあり、無断転載禁止
国宝 油滴天目茶碗 南宋時代 12-13世紀 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真撮影:三好 和義 ※展示替えあり、無断転載禁止

   「眼福」という言葉がある。文字通り、眼が幸福になること。そんな「眼福」を心から味わえる展覧会が2012年1月28日から4月1日まで開かれている。東京・サントリー美術館の「悠久の光彩 東洋陶磁の美」展だ。

   出品されているのは国宝2点、重文13点など約140点。中国や韓国の陶磁美の粋を集めたもので、いずれも大阪が世界に誇る「大阪市立東洋陶磁美術館」のコレクションだ。

   中でも特筆すべきは国宝「油滴天目茶碗」(ゆてきてんもくちゃわん)。

   天目茶碗とは、天目釉と呼ばれる鉄釉をかけて焼かれた陶器製の茶碗のこと。中国の宋の時代以降に盛んに作られ、禅僧が日本に持ち込んだ。たいへん珍重され、貴人たちの重要な茶会で用いられたという。

   今回の「天目」はその中の最高級品のひとつだ。焼くときにうわぐすりの中の鉱物が結晶になり、独特の味わいをかもしだしている。南宋から豊臣秀次などを経て今に伝わったとされる。同じく国宝になっている、藤田美術館などが所蔵する計3点の「曜変天目」などとともに、これら「天目茶碗」の最上品を公開の機会に鑑賞することは、いまも茶人たちの最高の幸せとなっている。

   東洋陶磁美術館のコレクションは、安宅産業の収集品が中心。同社の経営が傾いた折に住友グループの寄付金をもとに大阪市が引き取った。危うく散逸するところだった名品の数々が、今回の展覧会の図録では「楽園」シリーズで知られる三好和義さんの写真で鮮明によみがえった。個々の作品にまつわる流転のヒストリーは忘却の彼方に消え去り、ただひたすら美しい。図録もまた立派なアート作品となっている。展覧会を見たあとも三好ワールドの「楽園」で眼福を反芻できそうだ。

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