届けたいのは「物」だけでなく「心」も 被災地発着、知られざる感動の手紙

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   東日本大震災の被災者らを救援する活動は数あろう。その中で、「物」に加え、「手紙」を届けるという活動に奔走する人々がいる。「ふんばろう東日本支援プロジェクトおたより班」の人たちだ。

裁縫好きな86歳母のために希望したミシン

『~被災地からの手紙 被災地への手紙~ 忘れない。』
『~被災地からの手紙 被災地への手紙~ 忘れない。』

   「おたより班」は、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」にも参加しているテレビ番組制作会社勤務・中村佑子さんが行っていた、全国から寄せられた手紙を被災地の人々に届ける活動「お手紙プロジェクト」が元になっている。大震災から1年。「おたより班」の活動ぶりと、そこでやりとりされた感動の手紙の数々を紹介した本『~被災地からの手紙 被災地への手紙~ 忘れない。』が、大和書房から2012年3月10日に発売された。

   本書の中では、電化製品などの支援物資とともに添えられた手紙、また、その支援物資を受け取った被災者からの感謝の手紙をいくつも紹介しているが、たとえば、希望していた「ミシン」を受け取った岩手・陸前高田市の女性はこんな内容の手紙を提供者に送っていた。

   歯ブラシで歯を磨けたのは震災の1週間後、自衛隊の仮設風呂に入れたのは2週間後だったと、震災直後の状況を伝えたあと、話題はなぜ「ミシン」を希望していたのかに移る。手紙の主の86歳になる母親は裁縫と花の世話が好きだったが、雇用促進住宅には花を育てる庭もない。となれば、縫い物だが、ミシンは流されてしまっている。仕方なく、ズボンの裾上げなどを手縫いでしているものの、目の疲れもあってなかなかはかどらない。少しぜいたくかもしれないと思いながらも、母親のために「ミシン」をお願いしてみたそうだ。

「たいへん立派なミシンをいただき、母はとてもハリキッテいます。顔が明るくなりました」

   本書を読むと、「手紙」が、支援活動の中でいかに重要な役割を果たしていることに気づく。

   単行本(ソフトカバー)、208ページ。定価1260円。

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