命救った「ビートたけしからの電話」 「がばい」メッセージで笑顔思い出して

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   駅のホームで、「人身事故」のため電車が遅れるとアナウンスがある。放送を聞いた青年は「どこかのバカが飛び込みやがってよ」と舌打ちするかのようにケータイ電話の相手に伝える。そして、ホームの人々には青年と同じような空気が広がる――

   「死にたくなったら、これを読め!」(潮出版社、定価1260円)で、著者の島田洋七さんは、こんな場面に居合わせ、怒りや「寒気」を感じたと書き起こしている。島田さんは、漫才ブームの先駆者で、著書「佐賀のがばいばあちゃん」の大ヒットでも知られる。

「がばい」ばあちゃんと母との思い出も

「死にたくなったら、これを読め!」
「死にたくなったら、これを読め!」

   洋七さん自身にも「この世から消えたいと思った夜」があった。お笑いコンビ「B&B」として、「もみじまんじゅう!」のネタで1980年代前半の漫才ブームを引っ張る人気者だったが、ブームが去ると仕事が激減し、一緒に酒を飲む仲間も徐々に去っていった。

   眠られない日々が続くようになり、あるとき、数日分の「睡眠導入剤」を手にし、「これ、全部飲んだら…」とボンヤリ考えていたとき、電話が鳴った。ビートたけしさんからで、たけしさんは異変を感じたのか、いつもと違ってしつこく洋七さんを飲みに誘ってくれた。この電話があって飲みに行っていなければ、「もしかして死んでいたかもしれんよ」。

   洋七さんは、こうした自身の体験も踏まえ、「がばい(すごい)ばあちゃん」や「がばい母ちゃん」との思い出を、「アホな言葉」をたくさん紹介しながら綴っている。くすっと笑えるエピソードが多く並び、ときどきほろりとさせられる。

   「今、このときを大事にして、少しでも笑おうと行動して努力すること」と、諦めずに生きる大切さを訴えているが、いわゆる「説教臭さ」はない。「死にたい、とまでは思っていないが……」と少し元気のない人も、読めば笑顔を取り戻せそうだ。2012年2月に出版された。

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