【書評ウォッチ】資源と環境を食いつぶす人間の「食と農」
2012.06.21 11:28
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「地域の中で産業を」の行動を紹介
根源的な問いかけだけに、回答としては、この書評だけではうなずけない。「食」と切り離せない「農」をしっかり考えようという本を読んで、本気で考えろということらしい。
輸送などにエネルギーを食われていては従来の繰り返しだとは、誰でもわかる。人口減少・高齢化の時代にピタリあった問題提起ではある。従来の企業誘致に頼る地域づくりはとっくに行き詰まった。そこで、「地域の中で産業を興そう」と、これも誰だって考える。
日経に出た『新地域産業論』(伊藤正昭著、学文社)は、豚の育成、加工販売、レストラン展開の事例を紹介。『農商工連携の地域ブランド戦略』(関満博、松永桂子編著、新評論)は農家女性が取り組む農産物産直所を例にあげる。「地域の人材が自ら行動する」ことを評者の鎌形太郎氏もすすめている。ただ、なにやら小難しい学者文。もう少しやさしい言葉で書いたらどうか。読書欄の相手は学者でない、普通の市民だ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)