あの石川賢と「冒険王ガンダム」岡崎優が「キューティーハニー」を描いていた

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『キューティーハニー THE ANOTHER 完全版』(永井豪原作、石川賢・岡崎優著)
『キューティーハニー THE ANOTHER 完全版』(永井豪原作、石川賢・岡崎優著)
パンローリング

   永井豪氏の代表作『キューティーハニー』のTVアニメがスタートした1973年、メディアミックス戦略として複数の作家による同名のコミカライズが様々な漫画誌に連載されたのだが、その中に2人の「ビッグネーム」がいたことをご存じだろうか。

   1人は「ゲッターロボ」など、破天荒な作風で知られた故・石川賢氏。

   そしてもう1人は岡崎優氏。のちに「冒険王」で「機動戦士ガンダム」の漫画版を連載した人物といえば、ぴんと来る方も多いだろう。

   そんな2人は、「キューティーハニー」をどう描いたのか。パンローリングでは2012年5月、この石川版・岡崎版「ハニー」を併録した『キューティーハニー THE ANOTHER 完全版』を発売している。

   石川版は、秋田書店の少年月刊誌「冒険王」1973年11月号から翌年4月号まで、同じく秋田書店の「別冊冒険王 映画テレビマガジン」1973年11月号から翌年2月号までのダブル連載。

   登場パンサーのうち、トマホークパンサー、イーグルパンサー、ツインパンサー、 ドリルパンサーなどは、氏がTVアニメ用にデザイン原案も描いており、その一方でジェットパンサーやアトミックパンサーなど、TVに登場しないオリジナルの敵も多い。両連載間で登場パンサーの重複はなく、また学園描写もほぼ存在しない。事件から導入する点も石川版の特徴で、氏が得意とする緩急に満ちたバイオレンス描写は冴えに冴え、ほぼ同時期に連載された漫画版「ゲッターロボ」と同様、独特の悲壮感とセンチメンタリズムを内包しつつ、カタルシス溢れる痛快バトルストーリーに徹している。

   一方の岡崎版は、講談社の児童向けTV情報誌「テレビマガジン」1973年10月号から翌年2月号まで、同じく講談社の月刊少女マンガ誌「なかよし」1973年11月号から翌年1月号まで連載された。

   「冒険王ガンダム」の印象からは少し意外だが、岡崎氏は少女漫画誌でも活躍しており、その絵柄は少女を主人公とした本作によくマッチしている。岡崎版ではハニーがアンドロイドであることが明言されていないのも特徴だが、これは彼女の背負う悲劇性を緩和しようという配慮だろう。「テレビマガジン」「なかよし」両バージョンは、今回が初の単行本化となる。

   「キューティーハニー」誕生40周年を前に、これら「もう1つの」ハニー物語にも注目したい。

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