パナソニックは「美しい蝶として羽ばたく」 新たに見出した「お金の眠っているところ」

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   6月27日(2012年)に6年ぶりの社長交代を行ったパナソニック。大坪文雄氏が会長になり、専務だった津賀一宏氏(55歳)が、連結従業員数33万人のトップに就任した。

   創業家を除けば史上最年少となるその人選には、「前途多難」との声が絶えない。2012年3月期には7800億円もの連結赤字を計上し、このタイミングで社長を退いた大坪氏には、「敵前逃亡」との批判の声も上がったほどだからだ。

新たな収入源の確保は「環境」

『パナソニックの選択』
『パナソニックの選択』

   だが、6年間の大坪体制こそ、美しい蝶として羽ばたく直前の「さなぎ」状態だったと説く、斬新な企業分析本が講談社から刊行された。『パナソニックの選択』(フランシス・マキナニー著)だ。

   ビジネス書に強い八重洲ブックセンター本店の週間ベストセラーで総合第1位(6月24~30日)、丸善丸の内本店のビジネス書部門でも第1位(6月21~27日)を獲得するなど、注目が集まっている。

   著者のマキナニー氏は、今回、相談役に退いた中村邦夫前会長による中村改革の全貌を描いたベストセラー『松下ウェイ』で知られる、米国のコンサルタントだ。

   マキナニー氏の分析によれば、三洋電機買収に代表される積極的なM&A戦略、「パナソニック」ブランドへの統合など、派手な出来事が続いた大坪改革の裏側で、「新たな収益源」の確保が着々と図られていたのだという。

   カギのひとつは電気自動車だ。実はパナソニックは、自動車の電子システムを長く手がけてきた大手サプライヤーであり、これに三洋のリチウムイオン電池技術が加わることで、電気自動車の重要モジュールを作るすべての技術を手にしたことになる。

   スマートエナジー技術を蓄積してきたパナソニックの見込みでは、2009年時点で年間5400億円だったエネルギーシステム分野の売上が、今後の6年間で3兆円にまで伸びるという。

   2018年に創業100周年を迎えるパナソニック。松下幸之助以来の「お金の眠っているところ」を探し出す嗅覚は、「環境から稼ぐ」術を見出したようだ。

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