2018年 7月 20日 (金)

8年連続甲子園出場・智弁和歌山 「名将」を生んだのは偉大な敵だった

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『尾藤魂』(鵜飼真著)
『尾藤魂』(鵜飼真著)
日刊スポーツ出版社

   2012年7月28日行われた高校野球・和歌山県大会の決勝、智弁和歌山は延長14回を制し、8年連続となる夏の甲子園行きを決めた。歴代最多となる甲子園63勝の記録を持つ「名将」高嶋仁監督が、どこまでこの記録を伸ばすのか、注目が集まる。

   そんな高嶋監督が自らの「師」と仰ぐのが、県大会での「ライバル」箕島高校の故・尾藤公監督(2011年没)だ。2012年3月に刊行された尾藤監督の評伝『尾藤魂』(鵜飼真著、日刊スポーツ出版社、1575円)では、「敵将」でありながらあえて巻頭の題字を揮毫しているほど。

   同著では闘病中の尾藤監督、そして関係者などの証言を元に、その生涯、そして数々の名勝負の裏側を活写、その名を全国に知らしめた「尾藤スマイル」誕生の秘密も明かされている。

   尾藤監督は箕島第一小、箕島中から野球の強豪校からの誘いを断り、地元の箕島高へ進学。1966年から箕島高の野球部監督を務めた。甲子園では、公立校唯一の春夏連覇を達成するなど春3回、夏1回の優勝で35勝。その35勝の中には、東尾修を擁した68年選抜での初出場初勝利、伝説となった星稜との『延長18回』の大熱戦がある。

   この熱戦後、星陵の山下智茂監督(当時)は尾藤監督にならい、今に至るまで32年以上、笑顔、厳しい表情、優しい表情……を大きな鏡に向って10分間の「顔の練習」を続けているという。教え子、高校野球ファンの中だけではなく、かつての敵将の中にも、尾藤元監督が残したもの「魂」は今も生き続けている。

   夏の甲子園は、8月8日開幕を迎える。

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