原子炉建屋が爆発、そのとき官邸の「異常心理」とは… 細野大臣が「フェア」に明かした本

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   東京電力福島第一原発事故から2度目の夏を迎え、政府、民間、東京電力、国会と四つの調査報告が出揃った。そして政治家たちも「あのとき」、何が起きていたか、語り始めた。

   細野豪志氏は、当時、総理補佐官として原発事故担当となり、事故4日後には東電本店に入り、対策統合本部の事務局長となった。その後、原発事故収束・再発防止担当相、内閣特命相(原子力行政)に就任したこともあり、原発事故対応の最前線にずっと立ち続けた。つまり官邸が原発事故にどう対応したか最もよく知っている政治家と言えるだろう。

   その細野氏が『証言 細野豪志「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫る』を講談社から上梓した。

浮き彫りになる「原発危機500日の真実」

『証言 細野豪志「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫る』
『証言 細野豪志「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫る』

   『証言』のなかには、官邸、東電と事故対応の中枢にいた人間しか知らないことが多数紹介されている。菅首相が事故の翌日に決行した原発視察に、秘書官は反対で官邸の人間も懸念を抱いていたこと。3月14日に3号機原子炉建屋が爆発した後、官邸の人々が「坂道をどんどん転げ落ちていて、さらに深い穴へと落下していくような心理状態」だったこと。そして、東電から「撤退提案」が出されたとき多くの閣僚が対応に迷っているなか、菅首相が「そんなことはありえない。撤退したらどうなるかわかっているのか」と即断したことなど、知られざる真実が語られている。

   2012年7月に大飯原発の再稼働が始まった。これから日本人は原発とどう付き合っていくべきか、なぜ再稼働を認めたか、唯一の被爆国であるこの国が核燃料サイクルのなかでどんな役割をもっているのか、原子力行政を担う大臣として、そんな疑問にも答えている。

   この本は、「自分の都合のいいことだけ言うのはフェアではないし、正確な歴史とも言えない。できるだけのことを話す」という細野氏の「覚悟」のもと、完成した。一読すれば、いままで明らかにされなかった「原発危機500日の真実」が見えてくるはずだ。

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