フクシマ事故の「封印」を解く 首都圏「ガン平均増加率」予測の結果とは

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   福島第一原発の現状や、放射線量の各地の数値などが、テレビや新聞でだんだんと報じられなくなり、情報のないことに私たちも馴らされ、原発事故は過去のできごとのごとく感じるようになって久しい。しかし、これは真実の情報が原子力ムラによって巧みに隠されてしまった結果なのではないか、と疑問を持つ人も少なくない。

原発問題におけるマスコミの「バイアス」とは

『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』
『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』

   講談社から2012年7月刊行された『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社刊)は、国際原子力マフィアに立ち向かう「孤高の科学者」クリス・バズビー博士が命懸けで追究した、フクシマ事故の本当の被害予測をまとめたものだ。

   ここには、広島原爆、チェルノブイリ事故、イラク戦争での劣化ウラン弾被害の調査に長年携わってきたECRR(欧州放射線リスク委員会)の分析をもとに、今後の被曝を最小限に食い止める提言が込められている。

   ECRRは、原子力を推進する各国政府や原子力産業による放射線影響評価の不備をただすため、1997年、志ある約40人の国際科学者らによって設立された。「真の独立放射能汚染調査機関」とも評される。

   日本でも、度重なる脱原発デモが巻き起こり、反対の世論も根強い中、原発再稼動が実施された。欧米社会でも、バズビー氏が、原子力を推進する国家、産業界といった原子力マフィアからいかに迫害を受けてきたか、また、マスコミはどのような「バイアス」をかけて原発問題を報じてきたかが、ここでは告発されている。

   さらに、著者が入手した東京・港区西新橋の住宅のエアコンフィルターから、11万ベクレルものセシウムが検出されたことと、それによる発ガンリスクが2.5%(100人に2.5人が発癌する)であることが報告されている。そして巻末には、首都圏各地域でのセシウム検出量をもとに、ガン平均増加率が詳細に予測されている。

   とかく何事も「うやむや」で、「なし崩し」にしてしまう日本の行政と、それを受け入れてしまう国民性に、バズビー博士による真剣な警告が込められた本である。

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