2018年 7月 21日 (土)

中国大分裂の予測 派閥抗争・軍の報復・モノ言う人民台頭…

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   尖閣諸島をめぐり中国が激しく反発している。強硬姿勢の裏で何が起きているのか。近づく共産党大会、熾烈な権力抗争と深刻化する軍との対立、インターネットによる世論の高まり。改革開放路線は行き詰まり、大分裂が始まるという予測もある。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://www.j-cast.com/bookwatch/)でも特集記事を公開中。

「上海派、太子党、団派」三つ巴の抗争

『中国権力闘争 共産党三大派閥抗争のいま』
『中国権力闘争 共産党三大派閥抗争のいま』

『中国権力闘争 共産党三大派閥抗争のいま』

   この本の発売と前後するが、来月(2012年10月)の中国共産党大会で次期指導者に就任することが確実視されている習近平国家副主席が2週間も姿をみせなかった。また、重慶市のトップを務めカリスマ的指導者として絶大な人気を得ていた薄煕来氏が突然失脚し、妻も英国人ビジネスマン殺害で裁判にかけられるという異常な事態が起きた。いったい背後に何があるのか。中国共産党の内部はまことに分かりにくい。

   文芸社からの『中国権力闘争 共産党三大派閥抗争のいま』(著・宮崎正弘、1680円)は、ベールに包まれた中国共産党の権力構造を徹底分析、熾烈な争いの実像を描き出す。江沢民前国家主席が隠然たる力をもつ上海派、習近平副主席を筆頭格とする太子党、胡錦濤国家主席をトップに抱える団派。新指導者交代をめぐり、三大派閥はどう動くのか。

人民解放軍と共産党の深刻な対立

『中国大分裂 改革開放路線の終焉と反動』
『中国大分裂 改革開放路線の終焉と反動』

『中国大分裂 改革開放路線の終焉と反動』

   実業之日本社の『中国大分裂 改革開放路線の終焉と反動』(著・長谷川慶太郎、1575円)はエコノミストとして数々の経済予測の著書を出してきた著者が、今後の中国を大胆に見通したものだ。

   重慶市のトップで毛沢東回帰派の代表だった薄煕来氏が失脚したが、毛沢東をいまも信奉する人民解放軍の最高幹部たちは強い不満と憤りを抱いている。軍と共産党の亀裂が決定的となり、やがて共産党への報復が始まる。きっかけとなるのは北朝鮮の核実験という。核実験を認めない中国政府は人民解放軍の最強軍区である瀋陽軍区に北朝鮮を武力制裁するよう命令を出すが、瀋陽軍区は従わない可能性が高い。中国は7つある軍区同士で内戦状態に陥り、分裂へと突き進むというのだ。

ネットの普及と「自分の利害語る弱者の出現」

『モノ言う中国人』
『モノ言う中国人』

『モノ言う中国人』

   ますます過激化する中国の反日デモ。だが、これが反政府運動に転じると、たちまち鎮圧の対象となろう。中国の人民にとって言論の自由はまだまだ遠い存在だ。それでも、自分の意見を述べる人は増えて来た。集英社新書の『モノ言う中国人』(著・西本紫乃、798円) によれば、インターネットの普及によって、ごく普通の人たちが自分の利害について意見を述べる場が増え、その存在が認められるようになってきたという。いわば、「モノ申す人」の出現である。

   「ジャスミン革命」は起こらなかったが、鉱山の事故隠しや留置施設での不審死が明るみに出るなど、権力を持つものが都合の悪い情報を隠したり、民意を操作したりすることができにくくなっている。「モノ言う人民」の台頭は、この国にどんな変化をもたらすのか。

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