フランスから留学生が押し寄せる? アニメ好き若者らが「日本」目指す理由

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   11月3日(2012年)、パリで初めての<日本留学フェア>が、学生の街パリ5区で開催され、日本から日本語学校5校が参加。フランス人の高校生や大学生たちが、学校のスタッフと相談したり、アドバイスを求めたり、と日本留学の情報収集のために集まった。

   減少するアジアからの留学生を補うべく、ヨーロッパで白羽の矢が立ったのがフランスなのだ。

日本留学フェアを開催

日本好きの大学生、高校生が集まった会場
日本好きの大学生、高校生が集まった会場

   <日本留学フェア>の企画・運営を行う、ライセンスアカデミー社は、25年ほど前から、海外で日本への留学相談会を展開。台湾から始まり、中国、韓国、ベトナム、インドネシアなどアジア10か国に広がりを見せている。ただ、震災と円高、さらに尖閣諸島、竹島問題の影響もあり、中国と韓国からの留学生が大幅に減少。そこで、もっと広く世界に目を向け、まずはヨーロッパに、と白羽の矢が立ったのがフランスだ。

   パリに現地入りした同社国際事業部の近藤良樹さんによると、「フランスで開催されているジャパン・エキスポの報道を目にして、日本に興味がある若者がたくさんいることが分かったので、パリで一度、相談会をやってみよう、ということになりました。まずは1人でも多くの方に、日本の学校について知ってもらいたい。今回は日本語学校のみですが、今後は大学や高等専門学校も紹介していきたいですね」。

「日本のドラマやお笑い、歌番組をビデオで」

   この日、会場に集まったのは、友人と連れ立った大学生、親に付き添われて来る高校生など。中には、日本語学校のスタッフと達者な日本語でやりとりをする若者もいた。

   パリ郊外の大学で日本語と英語を学ぶ、ノルさんとミラさん。2人とも、J-POPやジャニーズが好きで、連ドラはインターネットで最新のものを見ているという。この夏には東京を旅行し、長野でホームステイも体験したそうだ。

   「学校の勉強の他に、日本のドラマやお笑い、歌番組をビデオで見て、学んでいます。まずは少なくとも1年間、留学して、日本語を学び、その後で何をするかを考えるつもり。今、興味があるのは観光学です」とノラさん。ミラさんは「旅行中、ステイ先の家族をはじめ、日本人はとても親切でしたが、外国人である私たちが実際に生活するには壁がある気がしました。留学しても、その後はフランスに戻って、日本語を使う仕事ができればと思っています」と話した。

エリートの卵「ラーメンにお寿司に、お酒も飲みます」

東大留学を目指すエリート養成校の学生、オセアンさん
東大留学を目指すエリート養成校の学生、オセアンさん

   熱心に一つずつ日本語学校のテーブルを回っていたオセアンさんは、フランスのエリート養成校シアンスポ(政治学院)の学生。同学院には東大、京大、早稲田、慶応などとの交換留学制度があり、それに応募する予定だという。

   「ロンドン語学留学中に知り合った日本人の彼が早稲田の学生。私は東大に行きたいけど、希望者が多いから、難しいかもしれません。今日、ここに来たのは、大学留学前に、日本語学校に通って日本語に磨きをかけたいからです」。オセアンさんには、将来、在日フランス大使館で働きたい、という明確な目標がある。日本に魅かれたきっかけを尋ねると、「日本のマンガ、アニメ、J-POPが大好きだから。アニメで今、気に入っているのが、『ソードアートオンライン』。あと、日本の食べ物も大好きで、ラーメンにお寿司に、お酒も飲みます」とエリートの卵らしからぬ無邪気な様子で答えてくれた。

   今回のフェアには、半日の開催で、110人ほどが集まった。円高ユーロ安が懸念されるが、フランスの若者たちは「奨学金と後は日本でバイトをすれば何とか生活できる」と楽観的。少子化で日本人学生はもとより、アジアからの留学生も減り続ける今、日本カルチャーが大好きなフランスの若者たちに、ぜひとも学びに来てほしいものだ。

江草由香

【プロフィル】
江草由香(えぐさ ゆか)
フリー・編集ライター。96年からパリ在住。ライターとして日本のメディアに寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』http://www.bisoujapon.comの編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれる―女32才厄年 フランスに渡る』。趣味は映画観賞。

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