【モノウォッチ・インタビュー】
「尼さん」シンガー三浦明利、メジャー初アルバム 「現代の和讃」とポピュラリティーの融合

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『灯り-akari-』
『灯り-akari-』

三浦明利
『灯り-akari-』
OMCA-1160
2800円(税込)
12月5日発売
オーマガトキ


   三浦明利は、2011年8月にこのコーナーでデビュー・マキシ・シングル「ありがとう~私を包むすべてに~」の発売を前にインタビューを掲載した。三浦明利自身のバイオグラフィーに関しては、その記事に掲載しているのでそちらを読んで欲しい(美人すぎる尼さんCDデビュー『ありがとう』を歌で伝えたい)。

   あれから1年以上を経て、初メジャー・アルバム『灯り-akari-』を12月5日にリリースすると聞き、再びインタビュー。インタビュー前に音を聴かせてもらった印象は「なんとはっきりとした意味を持ち、目的を持ったアルバムだろう!」というもの。

三浦明利に再びインタビュー

   実は、このアルバムに至るまでにシングルを1枚リリースしている。そのシングルは、2011年3月11日に起きた東日本大震災で被災した名取の被災者・高橋久子さんの詩にメロディーをつけた「被災地からのありがとう」(OMCA-6010 500円 2012.3.11発売)で、被災者からの感謝の思いを世界にメッセージしたもの。このシングルも、紹介した通り極めてはっきりとしたコンセプトで制作されているが、三浦明利のメジャー初となるアルバム『灯り-akari-』は、アルバム制作の意味と目的をさらに明確にしている。

「いま、私たちはなにを生きる力としてこの時代を生き抜いていけばいいのかを考えたときに、仏教というものと出あって欲しいと、私は思うのです」

   三浦明利は、自身初のアルバム『灯り-akari-』を前にそう言う。

「私の音楽活動の根本は、僧侶として歌うというスタンスだから」

   はっきりと自分自身の立ち位置と、アルバム制作の目的を口にする。

   そう、このアルバムに収められた音は、ギタリスト、ヴォーカリスト、ソングライターとしての三浦明利の実力、パフォーマンスの高さを存分に味わえるのはもちろん、彼女がアルバムに込めた思いが溢れ出るアルバムなのだ。

ロックもサンバもある


   彼女の言う「僧侶として歌うスタンス」とはなにか? 浄土真宗の寺の住職である彼女は、宗祖・親鸞聖人の残した「和讃」という歌の形を、現代に蘇らせる。

「『和讃』は、平安・鎌倉期の民衆の間で広く流布した『今様体』でつくられた仏教歌のことです。親鸞聖人は『和讃』を、『今様』という庶民から上皇までが口にした、言ってみれば流行の最先端のものを取り入れて作られました。私も親鸞聖人のように仏教の心を、ジャンルに関係なく、最先端の音に乗せて歌うのはすごく自然なことだなと思います」

   形式にはこだわらず、親鸞聖人が広く民衆に仏教を伝えようとしたエッセンスを、三浦明利はこのアルバムに込めている。

   全11(正確には10曲+1)曲の中には、ロックナンバー(M-6「恩德讃」)もあれば、サンバ(M-2「雨あがり」)もある。だがそれとても煎じ詰めればアルバム全体は、現代の「和讃」であり、それぞれが慈しみと癒しに満ちている。

   ちなみにM-3「絆」は「2012全国真宗 青年の集い四国大会のテーマ『絆』にあわせて書いたもの」であり、M-4「未来からのメッセージ」は「真宗 奈良教区『平和の集い』20周年で披露された朗読劇にあわせて作った曲」であり、M-8「en」は「2007全国真宗 青年の集い本願寺大会テーマソング」として作った曲だという。

最後のボーナストラックは彼女の法話

   それだけ聞くとなにか辛気臭そうな印象を持つ人もいるかもしれない。だがはっきり言えるのは、サウンドはまったく辛気臭くもなければ押し付けがましくもない。キチンとポピュラリティーを持った聴きやすく明るい音なのだ。

   そしてアルバムの最後のボーナストラック、それは彼女の法話。すべてはここに収斂するのだが、タイトルの『灯り-akari-』の通り、闇夜を照らしだす縁(よすが)となっている。仏教の持つ力、それを伝えようとする三浦明利の思いの深さが、この『灯り-akari-』を聴けば、はっきりとわかることだろう。

   三浦「住職」はアルバム『灯り-akari-』のセルフライナーノーツにこんなことを書いている。

「~思えば私はいつの間に手を合わすようになったのでしょうか? きっと、身近な方が手を合わしている姿を知らず知らずのうちに見て育ち、知らず知らずのうちにマネをして、いつの間にか手を合わす私に育てていただいたのだと思います。みなさまの手を合わす姿は、きっとまた、どなたかのご仏縁になっているにちがいありません」

   この言葉こそ、このアルバムを作った三浦明利の、まさに正直な思いであり、その連環を助けるための音楽、アルバムが『灯り-akari-』ということであるに違いない。

加藤普

【灯り-akari-  収録曲】
1. 花束レクイエム
2. 雨あがり
3. 絆
4. 未来からのメッセージ
5. Asian Soul
6. 恩徳讃(おんどくさん)
7. 応援のうた
8. en
9. 手を合わす日々
10. ありがとう~私を包むすべてに~ -album ver.-
11. あかりの法話-bonus track- 灯り~摂取不捨(せっしゅふしゃ)~エンドロール


三浦明利
アルバム『灯り~akari~』発売記念コンサート
【日時】12月22日(土) 開演:13:00~
【料金】前売り¥4,000 当日¥4,500(税込・全席自由席・ドリンク別途オーダー制)
【会場】大阪・ Live Restaurant "Flamingo the Arusha"
【予約・問合】フラミンゴ・ジ・アルーシャ 06-6567-4949
【WEB予約】http://www.flmg.jp/schedule/item_2826.html


三浦明利Official Home Page:http://miuraakari.com/

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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