2020年 12月 6日 (日)

【書評ウォッチ】石炭から原子力へ 炭鉱・油井近くに原発が建つ意味

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   東日本大震災や福島原発事故は、日本人がさまざまな角度から検証と研究を重ねるべき重要課題だ。地域振興とエネルギー政策が深くかかわってくる。そこにユニークな大著・労作が二つ。それぞれ東京新聞と朝日新聞がとり上げた。

   エネルギー転換の名のもとで切り捨てられた歴史をひもとく『石炭の文学史』(池田浩士著、インパクト出版会)は、現在の政策への批判がにじむ。石炭から石油、そして原子力への流れは何を示すか。もとの炭鉱や油井の近くに今、原発が建っているのだそうだ。【2012年12月9日(日)の各紙からII】

真顔で語られていたエネルギー政策

『石炭の文学史』(池田浩士著、インパクト出版会)
『石炭の文学史』(池田浩士著、インパクト出版会)

   たしかに「脱石炭」から石油による火力発電を経て原発に重点を置く保守政治がずっと続けられてきた。それが「真顔で語られていた近代日本のエネルギー政策の趨勢だった」と、評者の文芸評論家・川村湊さんも東京新聞で言う。そこから内外の炭鉱を舞台にした文学が生まれた。本はプロレタリア文学、国策文学の側面を、膨大な資料から再構成する。

   「過去を掘り起こす作業が、現在を、そして未来を改めて照らし出す」と評者。石油が石炭を滅ぼし、原子力が石油にとってかわるはずだった。

   浜岡原発近くには相良油田が、柏崎・刈羽原発近辺には小さな油井群があったのは皮肉な偶然か、何か意図的な必然か。そういえば福島原発と常磐炭鉱は同じ県内。「エネルギーの廃墟」に近接する原発の意味を考えさせる労作だ。

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