2020年 9月 25日 (金)

【書評ウォッチ】就活だけじゃない「コミュ力」偏重社会 価値観バラバラでも対話するには

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   就活シーズンだ。企業や学生の間でよく話題になる学生のコミュニケーション能力について、『わかりあえないことから』(平田オリザ著、講談社現代新書)がおもしろい。異なる価値観を持つ人に自分の主張を伝えられる能力とともに、従来どおり集団の輪を乱さない能力を併せもつ「コミュ力」が求められるらしい。社交性と協調性、そのどちらも。しかし、どちらかを選ぶとすれば、どうする?【2013年4月21日(日)の各紙からII】

「一人がいくつもの役割を」

『わかりあえないことから』(平田オリザ著、講談社現代新書)
『わかりあえないことから』(平田オリザ著、講談社現代新書)

   「日本社会はどんどんコミュ力偏重社会になりつつある」と、精神科医の斎藤環さんが朝日新聞で評している。社交性と協調性の「ダブルバインド」(二重拘束)が、学生ばかりか、誰にも多かれ少なかれ求められるという。

   これまで、日本ではどちらかというと「和を乱さず」の協調性を重視する雰囲気が支配的だった。企業にもそれは根強い。KYという言葉が若者を中心に一時期しきりに交わされたが、まさに「空気を読む」ことに今までは価値がよりおかれてきた。むしろ他者と向き合う「社交性」を、著者は独特に視点から強調する。

   バラバラな価値観をうまく調整する対話の重要性。一人の人間がいくつもの役割を演じる能力を発揮することで他者とつながっていけるという考え方だ。

   人の価値観がバラバラで「わかりあえない」ことを前提に、さあどうするかと問いかけている。演劇人の著者らしいコミュニケーション論に説得力が。空気を読み合う生ぬるさは、そこにはない。

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