2020年 11月 28日 (土)

【書評ウォッチ】震災後に取材開始のライターとは違う 20年以上の実態踏まえた告発本

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   3・11大震災の関連本があふれる中で、異色の2冊が出た。『福島原発と被曝労働』(石丸小四郎ら著、明石書房)は、震災前から実は続いていた放射能労働の実態を告発。『漁業と震災』(濱田武士著、みすず書房)は長引く漁業の危機から復興事業の問題をついた。ともに3・11はるか以前からの経緯を見すえた根っこの深さ。震災後に初めて被災地を踏んだライターとは違う。それぞれ毎日新聞、東京新聞の読書面が扱っている。【2013年5月12日(日)の各紙からII】

被曝労働は事故のずっと前から

『福島原発と被曝労働』(石丸小四郎ら著、明石書房)
『福島原発と被曝労働』(石丸小四郎ら著、明石書房)

   被曝労働は、福島第一原発事故の20年以上前からすでにあった。地元の原発反対同盟代表と支援の元高校教諭、衛生研究所の元研究員、内科医という4人の共著だ。

   原発労働者200人を調査すると、低賃金や被曝線量を低く見せる工作など、事故の前から行われてきた実情が浮かぶ。少なくとも1980年代半ばまで、被曝線量が全国で飛びぬけて高かったのが福島原発の下請け労働者だという。なのに、労災認定はわずか。その深刻な事実を、著者らはしっかり記録した。

   今後も続く原発対策には放射能と隣り合わせの作業がまだまだ必要だ。本は危険すぎる現場で働く人たちの健康を守るにはどうしたらいいのかを考えさせる。著者らが求める労災認定の拡大や「健康管理手帳」の交付といった救済だけではなく、労賃のピンはねや被曝隠しを防ぐ態勢の確立、下請け構造の改善を急がなければならない。

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