2020年 7月 10日 (金)

【書評ウォッチ】風刺漫画に激論、モダニズム 選挙ポスターも昔はすごかった

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   街角に参院選のポスターが目立ち始めた。大半は型どおり、候補者たちがほほ笑む定番写真に、掛け声程度の言葉が少し。昔はちがった、風刺漫画や対立陣営との激論も盛られたことを『第一回普選と選挙ポスター』(玉井清著、慶応義塾大学出版会)が教えてくれる。デザインだってモダニズム。選挙戦の夏にあわせてか、朝日と読売両紙がそろって扱っている。【2013年7月7日(日)の各紙からI】

楽しめるデザインのバラエティー

昭和3年(1928)のポスターやビラを研究
昭和3年(1928)のポスターやビラを研究

   本は慶応義塾図書館で発見された昭和3年(1928)のポスターやビラを研究した。初めての男子普通選挙。2大政党が風刺漫画も用いて互いを「大道の邪魔もの」「私利党略」と攻撃しあった迫力を伝える。

   中には親切に投票の仕方を説明したポスターも。昭和モダニズムに彩られたデザインは、バラエティー豊かだ。初めて政治が視覚化された歴史をも示している。「カラーのポスター図案が楽しい」と、朝日新聞評者の出久根達郎さん。読売では「見ていて楽しいし、どうにか普通選挙を盛り上げようという意欲が感じられる」と評者の政治学者・宇野重規さんがうなずく。

   選挙は本来、政策論争が基本のはずだ。今はひたすら名前連呼の宣伝カーとわざとらしい微笑ばかりのポスター貼りまくり。「重要な選挙」だと新聞やNHKがいくら叫んでも、しらけ・うんざりムードがつきまとうのは、そのへんが大きな原因かもしれない。ネット選挙もようやく解禁になった。なのに、街の風景は相変わらず。退屈極まりないポスターを変えてみようという動きはないものか。

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