2024年 4月 27日 (土)

【書評ウォッチ】多彩な評伝がそろった 白洲正子、藤沢周平、個性派政治家10人

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   評伝というジャンル。人間の生涯を描ききるのは容易でないが、著者独自の視点から新鮮な解釈も成り立つ。だからこそ面白い、そういう評伝がいくつか各紙にとり上げられている。個性的な保守政治家10人の波乱万丈を素材にした『政客列伝』(安藤俊裕著、日本経済新聞社)が日経にあれば、独特の美意識や自立した生き方で今も人気の女性像を浮かび上がらせた『白洲正子』(挾本佳代著、平凡社)は東京、中日、日経の3紙に。『藤沢周平伝』(笹沢信著、白水社)が朝日新聞の著者コーナーにある。生臭さ、難易度、記述ぶり、どれも多彩に、よくそろった。【2013年12月22日(日)の各紙からⅡ】

本物の美や精神性を求め続けた深い生き方

『政客列伝』(安藤俊裕著、日本経済新聞社)
『政客列伝』(安藤俊裕著、日本経済新聞社)

   白洲正子さんは『能面』『かくれ里』などで知られた随筆家だが、テレビドラマで注目度が上がり、他界から15年の今も女性を中心に年代を超えた人気を集めている。その理由は旧伯爵令嬢が吉田茂の懐刀だった白洲次郎氏と結婚したという華麗なセレブ的生涯のためか、その立場に飽き足らずに本物の美や精神性を求め続けた深い生き方こそが魅力なのか。

   もちろん、この本は後者。全国を旅した探究心や記録された文化の内容を、彼女が幼いころから親しんだ能を媒介に描き出す。「失われた日本への頼れる案内人」と東京新聞の評者・田中弥生さん。「白洲正子を読んでみたいと思わせてくれた」と日経の評者・水原紫苑さん。東京新聞は『白洲正子自伝』(新潮文庫)にも一言触れている。

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