2024年 4月 25日 (木)

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葬式は誰のためにあるのか

父の戒名をつけてみました
父の戒名をつけてみました

『父の戒名をつけてみました』

   「お気持ちで結構です」という言葉のベールで包まれたお布施の価格。本当にこちらで金額を決めてもいいのだろうか。巷には相場を示す手引き書やまとめサイトがある。死ぬための「手続き」は謎だらけだ。葬儀に高いお金を払うべきか疑問をもった著者が、亡き実父の戒名を自作して始まるバトルを綴ったルポが、中央公論新社の『父の戒名をつけてみました』(著・朝山実、1620円)だ。戒名自作へ怒りを爆発させた僧侶とのバトル、親族間での相続バトル、なかなか表に出ることのない一家の大事件を赤裸々に描きだすことにより、これがどこにでもあり得る物語だと気付かされる。そういえば、故立川談志は「立川雲黒斎家元勝手居士」という戒名を自作したために、「ウンコ臭いは…」と、ある寺から遺骨の引き取りを拒否されたそうだ。

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