【BOOKウオッチ】
カープファンも驚いた天才・前田智徳の素顔

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   球場が赤く染まる。オールスターゲームのファン投票でセ・リーグは、ほぼ赤ヘル選手が独占する結果となった。「カープ女子」「カープ芸人」という言葉が登場。広島東洋カープは、従来の野球好きとは異なる新たな層の心をつかむことに成功した。23年ぶりのリーグ優勝へ期待が高まる今、ファンはどんな気持ちでいるのか。

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カープ女子の先駆け的マンガ

球場ラヴァーズ ―私が野球に行く理由―01
球場ラヴァーズ ―私が野球に行く理由―01

『球場ラヴァーズ ―私が野球に行く理由―01』

   今までカープを応援するといえば、地元・広島県出身者か、過去の栄光を知る世代だった。ところが、新しいファンの中心は、首都圏の若い女性たちだ。生まれてからずっと不景気な世の中しか知らない世代。急浮上したチームの成績と自分の人生を重ね合わすのだろうか。赤色のグッズや「カープ=鯉=恋」といった女性を取り込みやすい潜在力も手伝った。話題の「カープ女子」の姿が垣間見えるのが、少年画報社の『球場ラヴァーズ』シリーズだ。第1章「―私が野球に行く理由―01」(著・石田敦子、576円)では、今まで野球に興味のなかった女子高生が、あるきっかけでカープの応援にのめり込んでいく青春ストーリー。低迷チームを応援し続けてきた先輩ファンの姿もリアルで、共感を呼ぶ内容だ。雑誌『ヤングキング』などで連載され、現在、第4章までコミック化されている。

資金はないが、アイデアは球界トップ

プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! ~涙と笑いの球界興亡クロニクル~
プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! ~涙と笑いの球界興亡クロニクル~

『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! ~涙と笑いの球界興亡クロニクル~』

   カープのファンサービスは、他チームのファンも唸らせる。たとえば2006年、当時のブラウン監督が審判への抗議で一塁ベースを投げて退場処分となった数日後、選手やスタッフたちが「危険」「うちの監督はベースを投げるぞ」と英語で書かれたTシャツを着て現れ、観客を沸かせたエピソードは有名だ。当然、ファンクラブで行うサービスもユニークだ。集英社の『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! ~涙と笑いの球界興亡クロニクル~』(著・長谷川晶一、1296円)では、カープのファンクラブ特典を「CQ(カープ・クオリティ)」と呼んでいる。資金面での苦労がにじみ出るが、それに打ち勝つアイデアが秀逸だという。著者のイチオシは、ホーム用(Carp)とビジター用(Hiroshima)を合体させ「Caoshima」という謎のチーム名になってしまった紅白ユニフォームだ。

孤高の天才? 前田智徳の素顔

過去にあらがう
過去にあらがう

『過去にあらがう』

   グッズ開発やサービスで盛り上がるのもいいが、プロスポーツとしては、やはり成績が重要だ。ベストセラーズの『過去にあらがう』(著・前田智徳、石井琢朗、鈴川卓也、1450円)は、昨年現役を引退した前田智徳氏、現在コーチを務める石井琢朗氏、元トレーナーの鈴川卓也氏による対談。彼らは勝つために何を考え、何を実践してきたのか、前田・石井両氏の選手時代を振り返る。一流選手たちのストイックな現場が語られているのだが、鈴川氏が「居酒屋で飲みながら雑談しているよう」と表現するとおり、ページをめくるたびに3人の素顔があふれる。特に、「孤高の天才」と評され、インタビューでも近寄りがたい緊張感を放っていた前田氏のユーモア発言には驚かされる。現役時代から圧倒的な人気を誇った人物の新たな一面が、さらにファンの心をくすぐる。

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