最近「おっさん萌え」、「カレセン(枯れたおっさん専門)」ブームがじわじわと広がっている。ダンディなナイスミドルにスポットを当てたアニメや映画や漫画が次々と登場し、その影響はカプセルトイの世界にまで波及した。タカラトミーアーツが2016年8月に発売した「かっこいいおっさんのフィギュア」は、中年おっさんのアクロバットな日常を切り取ったシリーズだ。ブレイクダンスに興じるおっさん(キャプ)ブレイクダンスに興じるおっさん日々社会で戦い続ける「厳しくも悲しい勇姿」を全力で立体化「一本気正(いっぽんぎただし) 職業・課長 副業・かっこいいおっさん―――」POPに書かれたおっさんのプロフィールは至ってシンプル。容姿だけ見るとスーツ姿、バーコードハゲに眼鏡のどこにでもいる中年おっさんだが、この一本気正はブレイクダンスをしたり、一丁拳銃や光の剣で戦ったり、一昔前に流行った「壁ドン」を敢えて今更やってみたりと、実に多彩なアクションを持ち合わせている。「覚醒」するおっさん。脱いでも凄いタカラトミーアーツによると、商品のコンセプトは「日々社会で戦い続ける"おっさん"。その厳しくも悲しい勇姿を全力で立体化しました」とのこと。「おっさん」と「社会で戦い続ける」という言葉を並べたとき、普通の人は「仕事で頑張る様を示す比喩表現」だと思うだろう。タカラトミーアーツはなぜか文字通り戦うおっさんを作ってしまった。モテ仕草を極めたおっさん一つ買うと、壁ドンするおっさんをゲット。ポケットに手をつっこみ、左足に体重をかけた絶妙なバランスで自立する姿は、おっさんなのになぜか最高にカッコいい。ローアングルで撮影するとハゲ頭が蛍光灯に照らされ見事に光るが、そこもまたイカす。不覚にも「こんな上司が欲しい」と思ってしまった。一回200円。
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