2024年 5月 7日 (火)

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「人生についての考えを変えることが不可欠」

   話題の書「LIFE SHIFT(ライフシフト)~100年時代の人生戦略」(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著 東洋経済新報社 2016年11月 原題:THE 100-YEAR LIFE)は、確かに注目すべき1冊だ。本書の帯には、「世界で活躍するビジネス思想家たちが示すまったく新しいビジョン」とある。

   著者による日本語版への序文で、「本書では、読者が長寿化を厄災ではなく、恩恵にするために、どのように人生を築くべきかを考える手引きとしたい」という。そして、「若々しく生きる年数が長くなる」と、「職業生活と家庭生活の両面で『よい人生』とはなにかについて考えを変えることが不可欠だ」いう。

   パートナーの両方が職を持つメリットは明らかとなり、人生が長くなることで人生の途中で変身を遂げる必要性も高まる。「人々が、70代後半や80代になっても活力と生産性を失わず、長く働き続けられれば、年金問題や人口減少の弊害はだいぶ和らぐ」のだ。

   序章の「100年ライフ」では、「変えるべきなのは、何よりも時間の組み立てだ。なにしろ、長寿化が進めば人生の時間が大きく増える。・・1週間は168時間、人生70年なら一生涯は61万3000時間だが、人生100年なら一生涯は87万6000時間になる」という具体的な数字は目をひかされる。「時間の組み立てと順序は、基本的にその時代の産物だ。長寿社会になれば、それが変わり、新しい時間の概念が生まれるだろう」という。

   ただ、企業の人事制度をめぐる個人と企業の間の激しい戦いは、「産業革命の時代に労働時間と労働環境をめぐって戦われた戦いに匹敵するものになる」としている。

   著者は、未来を見通すことは難しいとしつつ、実験の活発化、多数のパイオニアの誕生、多様性の高まりなど新しい時代を前向きに展望する。

   若い世代に大いなる希望を持ってもらうためにも、現役世代としては、今の現実を直視し先送りせず課題を解決していく必要性を、改めて痛感する。

経済官庁 AK

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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