「なめらか」で日本のモノづくりを支える 100年企業「NTN」の伝統と革新

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   「これまでの100年も、これからの100年も世界を『なめらかに』していきます」――。大阪に本社を置く大手精密機器メーカー・NTNが、来年3月に創業「100年」を迎える。

   創業100年を超える企業は、日本全国でたったの「2%」(帝国データバンク調べ)と、長きにわたり企業を存続させるのは簡単ではない。長寿企業の特徴、ひいては「強み」とは何であろうか。

  • 大久保博司社長
    大久保博司社長
  • 太陽光と風力を活用した「ハイブリッド街路灯」
    太陽光と風力を活用した「ハイブリッド街路灯」
  • 小水力発電装置「マイクロ水車」
    小水力発電装置「マイクロ水車」
  • 16年9月に発表した新しいベアリング(ULTAGE工作機械主軸用小径高速アンギュラ玉軸受)
    16年9月に発表した新しいベアリング(ULTAGE工作機械主軸用小径高速アンギュラ玉軸受)
  • 15年10月に発表した次世代ドライブシャフト「アドバンスド ドライブシャフト モジュール」
    15年10月に発表した次世代ドライブシャフト「アドバンスド ドライブシャフト モジュール」
  • ドライブシャフトの自動車への使用イメージ
    ドライブシャフトの自動車への使用イメージ

「なめらか」で日本のモノづくりに貢献

   NTNは、1918年に三重県の町工場から始まった。創業以来、機械同士の摩擦を減らし回転を「なめらか」にしてくれるベアリング(軸受け)を主力商品とする。ベアリングは、省エネルギーおよび省資源に貢献する「エコ商品」として、精密機器の現場には「なくてはならない」存在である。

   同社の「モノづくり」力は、業界でもよく知られ、「航空機」や「宇宙」といったきわめて高い技術が求められる分野でも同社の部品が多数採用されている。

   さらに、自動車分野でもその存在は大きい。タイヤの回転を支える「ハブベアリング」で世界シェア1位、エンジンの動力をタイヤに伝える「ドライブシャフト」で世界シェア2位を誇る。ここ数年、自動車の燃費や乗り心地の進歩がめざましいが、その裏では同社の絶え間ない技術改良がある。

   また、その活躍は日本だけにとどまらない。1963年に他社に先がけドイツに販売会社を設立して以来、積極的な海外進出をつづけ、現在では、世界33か国に220を超える生産・販売・研究開発の拠点を持つ「超グローバルカンパニー」に成長。売上高も半分以上が海外で占める。

   財務状況もいたって堅調だ。16年3月期の「売り上げ」は前年同期比2.2%増の約7170億円(過去最高)で、本業のもうけを示す「営業利益」が同8.9%増の約478億円、財務の健全性を示す「自己資本比率」は同2.1%増の29.2%と申し分ない。

「なめらか」技術で市場開拓

   NTNは100周年を迎え、今後はどのような成長ビジョンを描いているのか。

   同社は100周年を記念して「世界をなめらかにする仕事。」というメッセージと、「なんてなめらか(NTN)」というユーモアたっぷりのキャッチコピーを発表した。これまでの「ベアリング」や「ドライブシャフト」で培った技術やノウハウをもとに、「自然エネルギー」「電気自動車」「ロボット」「ビッグデータ」といった成長分野にも進出し、次世代技術によるものづくりを目指すとした。

   コア技術に「改善」を積み重ね、攻めの姿勢も忘れずに「革新」に挑んできたNTN。この「両輪」が100年という歴史につながったのかもしれない。今後も縁の下の力持ちとして日本の「モノづくり」を支えていく同社に注目だ。

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