2017年12月31日で閉園するテーマパーク「スペースワールド」(福岡県北九州市)のテレビCMが、「冴えすぎですねw」「閉園に近づくに向けてどんどん神懸かって来てる」と話題を呼んでいる。2017年秋のCMでは、5000匹の魚を氷漬けにしたスケートリンク企画での「炎上」をパロディ化したようだ。「今年は何と...普通のスケートリンク」との切れ味鋭いナレーションで、視聴者の心をつかんでいる。「今年は何もいない、とちゃんと伝えたかった」同園は1990年に宇宙をテーマとする遊園地として開園し、2005年に経営破綻を経験するも復活を遂げた。しかし、2016年12月16日、「諸般の事情により」と17年12月末の閉園を発表。ネットは当時、閉園を惜しむ声に包まれた。2016年11月には「炎上」騒動もあった。スケートリンクに5000匹の魚を埋め込む企画が、「悪趣味だ」「残酷だ」と批判を浴びる。謝罪文の掲載、ならびに企画の中止に追い込まれた。しかし同園はそんなトラブルさえ飲み込み、世間の評価を一変させる。「なくなるヨ!全員集合」とザ・ドリフターズのコント番組をパロディにし、「なくなるYO!」とラップ風に告知するなど、「自虐的」なテレビCMを次々と打ち出し、「これは笑うしかないw」「観ててほっこりする」と話題をさらった。そして2017年秋――。新CM「昨年はすみませんでした篇」では、何と1年前の「炎上」騒動をパロディ化した。「スケートの季節です。今年は何と...普通のスケートリンク」。スケートリンクでこんなナレーションが流れ、父と母、子ども3人のある家族が「今年は、何もいません」とカメラ目線で声を合わせる、というオチまで付いている。同園を運営するジャパンパーク&リゾート(福岡県北九州市)の広報担当者は、11月9日のJ-CASTトレンド編集部の取材に「今年は何もいない、ということをちゃんと伝えたかった」とCMの意図を説明した。「本当に閉園するの?」スペースワールドの担当者は...同園は2017年秋、新CM「最後にもう一度あいましょう篇」も公開、こちらも反響を呼んでいる。15秒版のテレビCMで、高齢の女性がベンチに腰掛けているシーンから始まる。だが、テレビ画面の文字はというと......「30秒なのに15秒の広告枠を買ってしまいました。完全版はウェブでご覧ください」CMはあくまでもウェブへ誘導するのみ、何もその他のメッセージを伝えていない。スペースワールドの公式サイトでは、確かに完全版の動画を公開しているが、1分24秒のロングバージョンだった。このテレビCMは、「福岡県と近隣の県」で11月3日から12日まで放送中だという。同園のこうした視聴者をクスッとさせる演出には、ツイッターなどインターネット上で「冴えすぎですねw」「閉園に近づくに向けてどんどん神懸かって来てる」「スペースワールドのスケートリンクのCM、自虐すぎて好き」「webで続きを見なければ。あと、なんとしても今年中にスペースワールド遊びにいかないと」などの声が殺到している。もはや「炎上」騒動の余波など、どこかへ吹き飛んでいったかのよう。「なんだか本当に閉園するのか疑わしくなってきますねw」との声すら上がっている。J-CASTトレンド記者がこの反響を伝えると、担当者はうれしそうに笑い声を上げた。ただ、「終わらない(閉園しない)ということはありません。これは既定路線で、我々もウソだったらいいな...と思っています。『閉店商法』と言われるかもしれませんが...こればかりは如何ともしがたいですね」とポツリ。「最後にもう1度、思い出を作りに来ていただきたい」と述べた。「今後、明らかになる予定です」と含みも担当者は一方、記者に意味深な言葉も残した。「こうした自虐的ともいわれるCMを作る理由は?」とたずねた時、「今後、明らかになる予定です」と含みを持たせたのだ。さらに先のCM(15秒版)については、「もう少ししたら、ネット上でも公開する予定です。楽しみにしていてください」と語っていた。
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