2020年 4月 7日 (火)

福山雅治、40代最後の夏
手にした「年齢相応」

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史上最多シングル・アルバムセールス

   この日、彼が何度となく口にしたのが「圧倒的なドーム感」と「圧倒的なファイナル感」だった。

   彼のコンサートで最多という16人編成のバンドの音の厚み。ストリングスやホーンと今の日本の最強メンバーのバンド個々の楽器の特性を生かした演奏。クラシックの要素も取り込んだオーケストラアレンジとバンド演奏のアンサンブル。巨大な空間と独特なエコーを計算したようなスケールの広がり。揺るぎない演奏は大地を踏みしめるようであり5万人近い観客の温かい手拍子は遥かな潮騒のように聞こえた。

   その「圧倒的なドーム感」は、2000年以降の彼のライブに欠かせない音楽監督、プロデューサー、アレンジャーのキーボーディスト、井上鑑あってこそだ。彼を筆頭に強者ミュージシャンの間で鍛えられ、学び、今の福山雅治があると再認識させられるステージだった。

   あの日と違う姿――。

   2001年がそうだったように、一曲目にステージに一人で登場した彼が弾いていたのはギターではなくバンジョーだった。

   花道を軽やかな笑顔でステップで歩きながら弾き語りで歌ったのはアルバム「残響」中の「幸福論」。二曲目はインスツルメンタルのドラマ主題歌「vs.2013~知覚と快楽の螺旋」だった。センターステージでムービングライトを浴びながらエレキギターを引き倒す姿は、少なくとも20代では見せられなかっただろう。

   ソングライターとしての成長とミュージシャンとしての成長。この日、披露された新曲の中には「失敗学」「暗闇の中で飛べ」などもあった。「幸福」も「快楽」も「失敗」も「暗闇」も歌い、時には照れながらお面のお尻を見せる茶目っ気もある。

   それこそが彼の手にした「年齢相応」ではないだろうか。

   史上最多シングル・アルバムセールス男性ソロアーティスト、福山雅治は40代最後の夏を迎えようとしている。

(タケ)

タケ×モリ プロフィール

タケは田家秀樹(たけ・ひでき)。音楽評論家、ノンフィクション作家。「ステージを観てないアーティストの評論はしない」を原則とし、40年以上、J-POPシーンを取材し続けている。69年、タウン誌のはしり「新宿プレイマップ」(新都心新宿PR委員会)創刊に参画。「セイ!ヤング」(文化放送)などの音楽番組、若者番組の放送作家、若者雑誌編集長を経て現職。著書に「読むJ-POP・1945~2004」(朝日文庫)などアーテイスト関連、音楽史など多数。「FM NACK5」「FM COCOLO」「TOKYO FM」などで音楽番組パーソナリテイ。放送作家としては「イムジン河2001」(NACK5)で民間放送連盟賞最優秀賞受賞、受賞作多数。ホームページは、http://takehideki.jimdo.com
モリは友人で同じくJ-POPに詳しい。

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