2018年 10月 23日 (火)

資生堂「ストレス臭」の正体を突き止めた 嫌なニオイ目立たせない技術も開発

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   資生堂は2018年10月2日、東京都内で「ストレス臭」に関する技術発表セミナーを開いた。

   同社では、皮膚表面から放出される気体「皮膚ガス」に着目し、緊張による心理的ストレスが加わることで特徴的なニオイである「ストレス臭」が皮膚ガスとして放出される現象を発見した。セミナーでは、資生堂アドバンストリサーチセンター研究員の勝山雅子さんを中心に、ストレス臭のもととなる2つの成分をはじめ、詳しい説明が行われた。

  • 資生堂アドバンストリサーチセンター研究員の勝山雅子さん
    資生堂アドバンストリサーチセンター研究員の勝山雅子さん
  • ストレス臭をしみこませた布に「STハーモナージュ香料」を振りかけている様子
    ストレス臭をしみこませた布に「STハーモナージュ香料」を振りかけている様子
  • 勝山さんの説明に、多くの人が聞き入った
    勝山さんの説明に、多くの人が聞き入った
  • セミナーの会場で映し出された資料の一部
    セミナーの会場で映し出された資料の一部

緊張度の高い場面で硫黄化合物のようなニオイ発生

   資生堂は長年にわたり、臭気判定士による体臭の研究を行ってきた。その中で、面接や試験、プレゼンテーション、スピーチ、初対面の対話など、心理的に心拍数が上がるような緊張・ストレス状態にあると、硫黄化合物のような特有のニオイが発生することに気付いたという。これが「ストレス臭」だ。

   この現象を科学的に確認するため、同社はインタビューストレス試験を実施した。初対面のインタビュアーからの質問に20分間回答し続けた健常女性40人(35~44歳)が、リラックス時と比べ心拍数が上がって交感神経が優位になることを心拍数のモニターで確認し、ストレスホルモンといわれる「コルチゾール」が唾液中で増加することから、緊張による心理的ストレス状態にあることを確認した。

   この試験時に、無香料石鹸で洗浄した手を専用の袋で覆い、20分間かけて皮膚ガスを採取して分析した。その結果、強弱はあったが40人全員から硫黄化合物系のニオイを確認したという。また、新入社員を対象にした検証試験でも、緊張度の高い場面で同様のニオイを認めた。

   一方で安静時や、運動中は、同様のニオイは発生しなかった。そのため、男女年齢問わず、強いストレスや緊張下など心理的変化により、特有のニオイを出すとの結論に至ったのだ。

   勝山さんはこの独特なストレス臭を「ラーメンの上に浮いたネギ」のようなニオイだと例えた。自分自身だけでなく、周囲の人にも心の混乱や疲労などの心理的な影響を及ぼすとの話だ。

ニオイ成分を「STチオジメタン」と命名

   勝山さんによると資生堂では、3年かけて高度な濃縮技術と複数の分析方法により、ストレス臭の2つの主要成分の正体を突き止めた。「ジメチルトリスルフィド」と「アリルメルカプタン」で、同社では2つを「STチオジメタン」と命名したことを明らかにした。

   ストレス臭対策として資生堂では、強いニオイで隠してしまうのではなく、ニオイそのものを包み込み、嫌なニオイを目立たなくする技術「STアンセンティッド技術」を開発した。これを用いたのが「STハーモナージュ香料」だ。

   セミナーでは、ストレス臭を染み込ませた布のようなものが入った容器に、スプレータイプのSTハーモナージュ香料をふりかけた。記者が実際にニオイをかいでみると、嫌なニオイが見事に消えた。

   なお、STアンセンティッド技術を用いた商品は、2019年春に発売予定とのことだ。

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