2018年 12月 19日 (水)

カルロス・ゴーン逮捕の衝撃 「カリスマ経営者」その功罪

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   2018年11月19日、日産自動車のカルロス・ゴーン会長が、役員報酬約50億円を実際よりも少なく見せかけた額を有価証券報告書に記載していたとして金融商品取引法違反の疑いで逮捕された。1999年に日産自動車へ入社して以来、辣腕をふるってきたゴーン氏だが、代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)である西川廣人氏が「長年にわたるゴーン統治の負の側面と言わざるを得ない」と語ったように、権力の集中からなるワンマン体制が今回の事態を生み出したとも言えそうだ。今回はゴーン氏のこれまでの活躍や思想など日産自動車に関する3冊をご紹介。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://www.j-cast.com/bookwatch/)」でも特集記事を公開中。

リスクをとってチャレンジし続けた半生

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「20年前なら人間は生まれた場所で働くのが普通だった。だが、これからは世界を舞台に働き、生活するようになる。グローバル化には犠牲も伴う。私も様々な犠牲を払ってきた。それでもグローバル化は人の限界を取り除き、新たな可能性に気づかせてくれる。日本人の多くもそんな時代を生きることになる。(本書より)」

   日本とフランス、2つの国で大企業のトップを務めたレバノン出身のブラジル人、カルロス・ゴーン氏。『カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方』(著者:カルロス・ゴーン 日本経済新聞出版社 1728円)では、国境も企業の壁もすべての枠組みを超えて挑戦し続けたゴーン氏がそれまでの人生を振り返る。

   「私の履歴書/多国籍世界の住人、コストカッター、リバイバル(再生)、危機、そして新たなる挑戦、アライアンス」、「カルロス・ゴーン名語録」「エピローグ」。本書は日本経済新聞に連載された「私の履歴書」をまとめたもので、エピローグは書き下ろし。

「V-upプログラム」とは

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   ゴーン氏がトップに就任した後、日産自動車は高い目標を掲げた中期経営計画に挑戦し続け、10年以上にわたり躍進を続けた。COO(最高執行責任者)の志賀俊之氏をはじめ社員たちが戦略を駆動する力を身につけ、改革を支える現場力を発揮しているからと言われている。それを、全社的な組織の仕組みとしてつくり出しているのが、「V-upプログラム」である。

   ゴーン氏が最初に行ったのは、各部門から優秀な社員を集めてクロスファンクショナルチーム(CFT)を結成したこと。V-upプログラムでは、トップダウンで物事を進めるのではなく、部門間の垣根やしがらみを越え、全社で取り組むべき課題を現場に考えさせ、次にその解決策をクロスファンクショナル(部門横断的)なチームで考える。現場は自ら考えた解決策を積極的に実践し続けていく...。その積み重ねが日産の現場力となり、結果的に劇的なV字回復を果たすことができた。

   『日産V-upの挑戦 カルロス・ゴーンが生んだ課題解決プログラム』(著者:日産自動車株式会社V-up推進・改善支援チーム 中央経済社 1944円)は、日産自らがそのノウハウを余すことなく紹介したもので,日本企業復活のバイブルとなり得る。

V字回復の秘密は驚くべき会議手法にあった!?

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   2011-2012「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の19年ぶりの獲得をはじめ、停滞気味だった自動車産業界で頭一つ抜けた出した日産自動車。その背後には、ゴーン改革のスタート以来、日産の現場が練り上げ実践し続けてきたさまざまな取り組みがあるが、中でも特筆すべきなのが「日産の会議」。日産の会議は考え抜かれ、合理的・効率的で、工学的に美しい。かつての日産と今の日産の違いは、この会議の在り方に集約されるという。

   『日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ』(著者:漆原次郎 東洋経済新報社 1620円)ではその独創的な会議手法を紹介。

   「その日にはじまり、その日に結論を出す」「意思決定者は会議に出席しない!」「議事録をつくらない!」など全8章。

   つまらない会議、無駄な会議を連日繰り返す日本のサラリーマンや組織人は必読の一冊。

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