読んでも面白い今年の「話題の映画」 是枝監督の小説『万引き家族』とは
今年(2018年)の映画界で最も称賛されたのは、是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したことだろう。年末には子役の寺田心君(10)にミラノ国際映画祭の外国映画最優秀主演男優賞が贈られたというニュースが飛び込んできた。今年も多くの話題作が生まれたが、今回はその中から『万引き家族』『シェイプ・オブ・ウォーター』『カメラを止めるな!』にまつわる3冊を紹介する。
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観た人にも観ていない人にもおススメ
『万引き家族』(著・是枝裕和、宝島社、1404円)は、同名の映画『万引き家族』を是枝監督自らが書き下ろした小説だ。映画では尽くせなかったところもあり、映画を観た人にも、観ていない人にも楽しめる。
柴田治と息子はスーパーや駄菓子店で万引きをして生計を立てていた。ある日、家から閉め出されていた少女を連れて来て、一緒に家族として暮らすことになる。万引き、年金不正受給、虐待・・・家族の絆とは何なのか。
是枝監督は1962年、東京生まれ。初監督した映画『幻の光』(1995年)がベネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞、『そして父になる』(2013年)がカンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞を受賞した。『万引き家族』は2019年2月のアカデミー賞でも期待されている。