2019年も明け、今年は「ラグビーW杯」、翌2020年には「東京五輪」が控える。当然、多くの外国人観光客「来日」が想定されるが、中にはタトゥーを入れている人もいるだろう。そこで、温泉や銭湯の「入れ墨&タトゥーNG」は、どうなっていくのだろうか?「入浴」に、法的な規制があるわけではないそもそも、日本の温泉や銭湯での「入れ墨&タトゥーNG」問題は「反社会的勢力の排除」が目的だった。温泉施設等を監督する観光庁担当者によると、「法令ではないので、いつから始まったか...ということは、明言できません。ただし『入れ墨』や『タトゥー』というものを怖がったり、快く感じない方がいるのも事実です。そういった中で、各施設単位で『自主規制』していったということです」なるほど。しかし「入れ墨&タトゥーが入った人」=「反社会的勢力」という図式が成り立たないことも事実だ。昨年、がんで亡くなった格闘家の山本KID徳郁さんは、取材するたびに、新たなタトゥーが増えていった。また、ラグビー日本代表で活躍する外国出身選手(日本国籍取得)らも、「文化」としてタトゥーを入れている場合が多い。どちらの例も「反社会的勢力」ではない。逆に「入れ墨&タトゥー」だけで入浴禁止ならば、ある種の「差別」とも捉えられかねない。そこで、観光庁は「入れ墨(タトゥー)がある外国人旅行者の入浴に際し留意すべきポイントと対応事例」というものをホームページ上にアップしている。外国人観光客増加へ「容認」の傾向「留意するポイント」としては、・宗教、文化、ファッション等の様々な理由で入れ墨をしている場合があることに留意する。・利用者相互間の理解を深める必要があることに留意する。・入れ墨があることで衛生上の支障が生じるものではないことに留意する。「入浴に関する対応事例」としては、(1)一定の対応を求める方法・シール等で入れ墨部分を覆い、他の入浴者から見えないようにする(衛生的な入浴着等を着用する方法も考えられる)。(2)入浴する時間帯を工夫する方法・家族連れの入浴が少ない時間帯への入浴を促すようにする。(3)貸切風呂等を案内する方法・複数の風呂がある場合、浴場を仕分けてご案内する。・貸切風呂がある施設では、貸切風呂の利用をご案内する。・宿泊施設の場合、専用風呂のある客室棟をご案内する。といった具合だ。また、一般社団法人「日本温泉協会」は、J-CASTトレンドの電話取材にこう答えた。「施設ごとの対応なので、我々も口は出せない立場です。ただし、傾向としては『入れ墨&タトゥー』を容認する方向に向かっていることは事実です」国籍や人種は違えど、温泉や銭湯にゆっくりつかって、文字通り「裸の付き合い」ができるような日本であってほしいものだ。
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