2024年 4月 20日 (土)

【センバツ】熊本西は力及ばず、戦線に持ち込ませなった智辯和歌山の破壊力

1回戦 智辯和歌山VS熊本西

   熊本県勢初の21世紀枠での出場となった熊本西。智辯和歌山という、全国でも指折りの名門との対決を前に、横手文彦監督は「どこが相手でも接戦を戦い抜きたい。相手が相手なので、泥臭くやるしかない」と、県立校らしい地に足がついたコメントを残した。

   実際、大方の予想も熊本西が勝つには、接戦に持ち込むしかないというものだった。

   そんな中で始まった試合だが、まず先制点を挙げたのは熊本西だった。

   2回裏、4番・堺祐太、5番・霜上幸太郎の連続ヒットで、無死一、三塁のチャンスを作ると、6番・浦田健太郎が二併殺に打ち取られる間に、三塁ランナーが生還する。名門相手の先制点に、一塁側アルプススタンドは、大きな盛り上がりを見せた。

   熊本西の先発は、エースの霜上。昨秋の映像を見たときは、技巧派のイメージが強い投手だったが、実際に見ると球速も130キロ台中盤を記録するなど、思っていた以上にストレートにも力がある投手であることに驚いた。

   霜上は、このストレートを最大限に生かすために、カーブやチェンジアップをコーナーに織り交ぜながら、上々の立ち上がりを見せた。

   だが、そんな霜上に対しても智辯和歌山は冷静だった。打順が一回りすると、徐々に霜上をとらえ始める。

   3回表、智辯和歌山は一死一、二塁のチャンスから、2番・西川晋太郎のライト前タイムリーで1点を返すと、続く3番・黒川純平もライト前タイムリー。その後、熊本西のミスも絡んで、この回一挙4得点。試合の流れが一気に智辯和歌山へと傾いていった。

「二巡目に入るときに、アクセルを変えようとか、配球を変えようとか何か声掛けすればよかった」

   試合後、熊本西の横手監督がそう語ったように、二巡目以降の智辯和歌山の各打者は明らかにスイングが違った。緩急差をつける霜上のピッチングをものともせずに、猛攻を浴びせていく。

   4回には4番・東妻純平のスリーランホームランなどで7点、6回にも6番・佐藤樹のタイムリーなどで2点を挙げた智辯和歌山。試合を完全に我がものとし、接戦に持ち込みたいという熊本西の思惑は、どんどん遠ざかっていった。

   結局試合は13対2で智辯和歌山が勝利し、2回戦進出を決めた。

   試合後、熊本西の横手監督は智辯和歌山打線に脱帽しながらも、名門を相手にベストを尽くした選手たちを称えて前を向いた。

「もう少し点が少なければ、エンドランなど仕掛けることが出来ましたが、あれだけ点差が開くと打つしかない状況になってしました。選手たちは良く戦ったと思うので、夏に向かって練習したいと思います」

   また13失点を喫したエースの霜上も、悔しさを見せる一方で、全国トップレベルのチームと対戦できたことを大きな経験と捉えて、前を向いた。

「悔しいですが、全国トップレベルのチームを知ることが出来たのは大きいです。夏に向けて、どれだけ近づくことが出来るかが鍵だと思います」

   熊本西はこの後、4月末から鹿児島で開催される春季九州地区大会を控えている。この経験を糧に、どんな戦いを見せるか注目だ。

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