2019年 12月 6日 (金)

言葉につまずく 山田詠美さんはレストランで怒り、本を見て反省する

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カッコ悪い「素」を晒す

   このエッセイに添えられたタイトルは「言葉の小姑 うっかり躓(つまず)く」。仕事柄、言葉にはうるさいと自負していたのに思い違いをしていた、という自虐ネタである。

   私も、自分のことは棚に上げ、テレビのインタビューなどでタレントやアスリートが「お母さん、お父さん」と呼ぶのを「小舅」のように苦々しく思っている。逆に、中高生が「父、母」と呼ぶのを見ると清々しい気分になり、心で拍手をしてしまう。

   テレビのニュースで「注目を集めそうです」と聞くたびに「注目されそうです」でよかろうもんと顔をしかめ、「発売開始」じゃなくて「販売開始」やろがと突っ込む。気になりすぎて、独り言の文句までどこの言葉か分からないほど心乱れてしまうのだ。

   山田さんがこの種のコトバ警察的ボヤキに終始していたら、読後感は違っていただろう。最後に「ごめんなさーい!」があるからファンは安心し、次週も読みたくなる。カッコ悪い素を晒すところを含めて山田エッセイの魅力なのだ。本音で生きる人は強い。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)
コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

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