2019年 12月 8日 (日)

世界レベルのサーフィンを知る男 仲村拓久未が東京五輪の波に乗る【特集・目指せ!東京2020】

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   サーフィンに対する海外の注目度は高い。世界最高峰のサーフィンレース「ワールドチャンピオンシップツアー」(WCT)の上位ランカー、ジョン・ジョン・フローレンス選手(米国)やガブリエル・メディナ選手(ブラジル)は、年間6億円近くを稼ぎ出す。WCT出場権を得るための大会(World Qualifying Series)でも1000万円近く稼げるというから驚きだ。

   そんな注目のスポーツが2020年の東京五輪から正式競技になった。今回登場するのは、五輪に向けて奮闘を続けるプロサーファーの仲村拓久未選手だ。(インタビュアー:石井紘人 @ targma_fbrj)

  • インタビューにこたえる仲村選手
    インタビューにこたえる仲村選手
  • サーフィンをしている仲村選手
    サーフィンをしている仲村選手
  • ボードを手に
    ボードを手に

大きな波に乗るサーフィンが得意

――東京五輪からサーフィンが正式競技になりました。そのことが、日本のサーフィン界に寄与するものはあるでしょうか。

仲村 サーフィンが五輪の競技になると発表されてから徐々に効果が出てきていると思います。たとえば、子どもサーファーたちに、五輪という明確な目標が出来ました。また現在活動しているサーファーたちにも、大きな大会が一つ増えました。僕の話でいえば、事務所に所属出来たのは、五輪がきっかけだと思います。サーファーもサーフショップも増えていますし、サーフィン業界は凄く盛り上がっていると思います。

――仲村選手はどのようなサーフィンをされますか。

仲村 日本人は大きな波を苦手とするサーファーも多いのですが、僕は大きな波に乗るサーフィンが得意です。小さな波で点数を稼ぐタイプではないですね。

――スポーツには、それぞれ特色があると思うのですが、サーフィンはテクニック、フィジカル、運など、何がポイントになりますか。

仲村 テクニックが(10のうち)8ですね。また頭の良さも必要です。これらは、波を読む力になります。たとえば(既に東京五輪出場が決定している、五十嵐)カノアは、波を見て、「始まって〇分以内に〇点とる」とか考えていると思います。完璧な試合運びです。あとは、波を引き寄せる力という意味では、運もあるかもしれません。勝っている時って、波が自分のところに勝手に寄ってくる流れがありますね。
フィジカルに関しては、皆が鍛えている訳ではありません。WCTの選手にも小柄な選手はいます。

――仲村選手は、どのように体を鍛えていますか。

仲村 今までは筋力トレーニングをやってこなかったのですが、今年に入ってから、トレーナーに見てもらっています。ウェイトトレーニングではなく、股関節が硬いので、柔らかくするなど可動域を広げています。あとは、マスクをつけて有酸素運動ですね。

国内を転戦、白星積み重ねて調子上げる

――日本と世界の差というのはあるのでしょうか。

仲村 あります。単純に、米国やオーストラリアと比べると(日本国内は)波の質が違います。練習しているフィールドも、自分たちの方が甘い。波のパワーが弱いです。

――では、仲村選手の場合、それをどう乗り越えようとしていますか。

仲村 ひとつは練習環境(の改善)ですね。ただ「勝つためにはこれをやればいい」という練習はありません。今は、これまでずっとやってきたことをやるだけです。

――仲村選手は2015年、「JPSA ショートボード男子 ランキング 日本チャンピオン」になって、WCTに出場するために海外に拠点を移してから、数字上は苦しんでいるように見えます。

仲村 2016年以降も海外の大会で、いくつか良いサーフィンが出来ていました。たぶん、2017年の1月、カノアとファイナルで戦った時(メンズ・クオリファイング・シリーズ開幕戦)がピークだったと思います。今思えば、海外に行って2年目とかだったので、うまく勝ててしまった感じでした。波も自分に合っていた場所でしたし。それが続けば、世界で勝てる選手になれるのかなとも思いました。
最近は勝てていないので、今年は日本の試合を回って、勝つことで調子を上げようと考えています。まずは茨城で行われるJPSAジャパンプロサーフィンツアー2019 ショートボード第4戦、9月末には種子島で第5戦があり、フィリピンの東南アジア大会と試合が続きます。そこで勝って、来年のISAに繋げて、東京五輪に選出されるように頑張ります。

(編集部より)仲村選手は、本インタビュー後に行われたJPSAジャパンプロサーフィンツアー2019 ショートボード第4戦で3位入賞しました。


仲村拓久未(Nakamura Takumi)
1996年4月8日生まれ。奈良県出身。
2015年、「JPSA ショートボード男子 ランキング 日本チャンピオン」を獲得。
その後、世界最高峰の「ワールドチャンピオンシップツアー(WCT)」に出場するために、海外に拠点を移し、WCT出場の権利を得るため「ワールドクオリファイイングシリーズ(WQS)」でポイント・ランキング10位を目指し挑戦。
また現在は、2020年東京オリンピックの追加種目として正式決定したサーフィンの日本代表選手に選出されることを目指している。

文:石井紘人(いしい・はやと)
ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。
著作に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)、プロデュース作品に久保竜彦が出演した『弾丸シュートを蹴る方法』(JVD)がある。
『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「静寂から熱狂そしてリスペクト」などを寄稿。
株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作した『審判』の版元でもある。

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